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[【全体】M&A入門-M&A戦略立案からPMIまで(PwCアドバイザリー合同会社)]

(2015/07/08)

第1部 「M&A戦略」

第3回 「M&A戦略立案の基本ステップ③」

 西田 尚史(プライスウォーターハウスクーパース マーバルパートナーズ(現PwCアドバイザリー合同会社) シニアアソシエイト)

はじめに

 M&A入門連載3回目のテーマは「M&A提案(仕掛け)」です。

 このステップは、M&A戦略立案のフェーズ(実際のM&A取引が始まる前の戦略立案の段階。プレM&Aとも呼ばれます)の最後に位置づけられており、選定したM&A候補に対して、実際のM&A提案を行うステップです。

       

 かねてから買収対象として興味があった会社が、先方から「買収してくれ」と言ってきたという夢のような話は滅多にありません。買い手は、策定したM&A戦略を実現すべく、選定したM&A候補に対して、買収の意図をメッセージとして明確に提案していかないと、ただ待っているだけでは何も起こりません。買い手が能動的にM&A提案することを弊社では、「仕掛け」と呼んでいます。

 M&A提案のゴールは、売り手および売り手をとりまくステークホルダーに、「この話は、自分を含め皆にとってメリットがありそうだ」と認識してもらうことです。傍目には、話し上手な交渉役が売り手をうまく説得する話術がM&A提案成功の極意だと見えるかもしれませんが、実際に重要なのは、そのような話術ではなく用意周到な準備です。今回はそのM&A提案の準備の裏舞台をお話します。

提案を支える3つの要素

M&A提案において重要な要素は、①「誰に提案するか」、②「何を提案するか」、③「どう提案するか」の3つです。

 売却に同意してくれなければM&Aは成立しませんので、①「誰に提案するか」の「誰」かの一人は、当然、売り手である現株主になるわけですが、買い手はその株主だけを見ていればいいというわけではありません。わが国の企業の多くは売却に際してレピュテーション(=評判)を非常に気にしますので、対象会社の経営陣が同意していない売却話を独断で進めるようなことはしません。M&A提案を誰に対して行うかは、現株主だけでなく、株主を取り巻く様々な主体に対して行う必要があります。

 ①「誰に提案するか」次第で、②「何を提案するか」のM&A提案内容についても自ずと変わってきます。そして、提案先や提案内容が変わると、③「どう提案するか」の話の持ち掛け方も変わってきます。

     

 そこで以下、①「誰に提案するか」、②「何を提案するか」、③「どう提案するか」の3つについて、基本的な点を解説していきます。
 



プライスウォーターハウスクーパース マーバルパートナーズ株式会社

■筆者経歴
西田尚史(にしだなおふみ)
プライスウォーターハウスクーパースマーバルパートナーズ株式会社、シニアアソシエイト。東京大学法学部を卒業後、アビームM&Aコンサルティング株式会社(現プライスウォーターハウスクーパース マーバルパートナーズ株式会社)に入社。戦略構築からクロスボーダーM&Aのコンサルティング・フィナンシャルアドバイザリー業務、企業再生に従事。
 

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