[Webインタビュー]

(2016/05/18)

【第69回】M&Aで高値掴みをしない買収方法――アーンアウトの活用について

 光澤 利幸(フロンティア・マネジメント 常務執行役員 ファイナンシャル・アドバイザリー第2部長)
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M&Aで失敗する主な原因


―― 近年、日本企業による海外企業のM&Aが増えていますが、思わぬ高値買収案件も少なくないようです。M&Aで高値掴みをしない買収方法として、アーンアウト(Earn Out)の活用についてうかがいたいと思います。

「最近は特に多額の減損処理を行うケースが増えています。まず、M&Aの失敗原因としてどのようなものがあるのかを整理しておきましょう。大きく4つの原因があると思います。1つは、買収対象企業に起因するもので、経営者の資質、財務状況、潜在債務等の問題が考えられます。第2は、買収側企業に起因するもので、曖昧なM&Aの目的、不完全なデューデリジェンス、脆弱な契約交渉プロセス等です。第3は、ポストマージャー・インテグレーション(PMI)が原因となるもので、想定されたシナジーが出てこないという問題です。そして、第4がそもそも高値買収だったというケースです。

 高値買収については、よく案件の発表時に、『プレミアムX%以上は払い過ぎ』、『EBITDA倍率がX倍は高すぎる』といった批判が多いのですが、言うまでもなく、買収側企業は対象企業について念入りに検討し、ファイナンシャルアドバイザー等の第三者の意見も参考にして買収価格を決定しているわけで、買収額が高値であったかどうかは、買収後、数年経過した後の結果を見た上で評価されるべきです。

 ただ、買収額のプライシングにあたっては・・・

 

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