[M&Aの現場から]

2023年6月号 344号

(2023/05/12)

【日本材料技研】ニッチトップな製品の集合体である企業グループを構築し、日本の製造業を支える

浦田 興優(代表取締役社長)
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浦田 興優氏

浦田 興優氏

 日本材料技研は、浦田興優氏によって2015年8月に設立された樹脂原料やセラミックスなどの機能材料メーカー。休眠特許の事業化、中小企業の事業承継M&Aによって、導電性材料MXene(マキシン)などの機能性材料、医療機器などで活用されるタングステン・モリブデン精密部品などの製造販売を主な事業内容としており、さらにCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)によるマテリアル分野およびハードテック分野のスタートアップに対する投資も行っている。

 浦田氏は、東京大学法学部を2002年に卒業し、ソニーの経営企画からキャリアをスタートさせた。

 「2002年〜07年ソニーに在籍して、テレビ事業ビジネスを推進する中で、グローバルな競争に勝つためには特に材料をはじめ部品・装置といった分野の技術的差別化が重要だと痛感しました。特に、これらの分野はニッチプロダクトが多い業種でもあり、大手企業に限らず中小企業で高いグローバルシェアも持ち、好業績をあげている企業も少なくありません。こうした分野に強い興味を持ったのですが、大学は文系でしたから化学の知識なしに化学メーカーに行くわけにもいかず、元々戦略コンサルティングには興味を持っていましたので、修行のつもりでマッキンゼーに入りました。2007年~2012年の間、グローバルエネルギー素材産業グループに属して、主に化学業界を担当し、結構人脈も広げられました。

 しかし、業界関係者から話を聞けば聞くほど業界全体が抱えている構造的な課題が非常に大きいということも実感しました。コンサルタントは基本的に

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