[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2022年9月号 335号

(2022/08/09)

【インテグラル】凸版印刷と共同出資で「トッパンフォトマスク」を設立

―― 拡大する半導体市場への攻勢を支援

  • A,B,EXコース
(右から)山崎壯・インテグラル パートナー、屋城勇仁・同 ヴァイスプレジデント、矢野雄大・同 シニアアソシエイト

(右から)山崎 壯・インテグラル パートナー、屋城勇仁・同 ヴァイスプレジデント、矢野雄大・同 シニアアソシエイト

ワールドワイドな生産体制を構築

 2022年4月、凸版印刷はフォトマスク事業を会社分割し「株式会社トッパンフォトマスク」を営業開始した。同社には凸版印刷が50.1%を出資するとともに、インテグラルが運営するファンドが49.9%を出資している。

 フォトマスクは半導体ウェハに回路を転写するための回路原版で、半導体はフォトマスクと露光装置によってIC(集積回路)の回路パターンをウェハに焼き付けて作られる。DX(デジタルトランスフォーメーション)が広まるなかで、IT(情報技術)機器の基幹部品となっている半導体だが、その半導体製造に欠かせない主要部材がフォトマスクだ。世界のフォトマスク市場は凸版印刷、大日本印刷など日本勢が上位を占めている。

 なかでも凸版印刷は、1961年にフォトマスク事業を開始、1997年に中華凸版電子(台湾)を設立、2005年にDuPont Photomasks(米国)の全株式を取得するなど、欧米、アジアへと製造拠点を拡大してきた。現在同社は,ワールドワイドな生産体制を構築するフォトマスクメーカーとして半導体用フォトマスクの外販市場におけるトップシェアを占めている。

 世界の半導体市場は急激な拡大を続けており、2030年には100兆円を超える水準に達すると予測されている。世界的な半導体不足を背景に、半導体メーカー各社は生産能力増強に動いている。それとともに、半導体製造に不可欠な回路原版としてフォトマスクの需要も世界各地域でこれまで以上に高まっている。

今回のトッパンフォトマスク新設の背景と今後の成長戦略について、パートナーとなったインテグラルの担当者に聞いた。

<インタビュー>
2025~26年をめどにIPOを目指す

 山崎 壯(インテグラル パートナー)
 屋城 勇仁(同 ヴァイスプレジデント)
 矢野 雄大(同 シニアアソシエイト)

経営の自由度を高め、資金調達力を強化

―― 2022年4月、凸版印刷からカーブアウトし、凸版印刷50.1%、インテグラル49.9%出資による「トッパンフォトマスク」が新たなスタートを切りました。新会社設立の背景と狙いについて聞かせてください。

この記事は、Aコース会員、Bコース会員、EXコース会員限定です

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

バックナンバー

おすすめ記事

スキルアップ講座 M&A用語 マールオンライン コンテンツ一覧 MARR Online 活用ガイド

アクセスランキング