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[対談・座談会]

2019年11月号 301号

(2019/10/15)

[対談]デュポンのグローバル経営

~経営トップが見た日本企業の課題

橋本 勝則(デュポン株式会社 取締役副社長)
松田 千恵子(首都大学東京大学院 経営学研究科<ビジネススクール> 教授)
左から松田 千恵子氏、橋本 勝則氏
左から松田 千恵子氏、橋本 勝則氏
―― 本日は、デュポン株式会社取締役副社長の橋本勝則様と首都大学東京教授の松田千恵子様に、グループ・グローバル経営、ガバナンス、事業ポートフォリオマネジメントを実践され、さらに、ダウ・ケミカルとの合併・三分割のプロジェクト担当役員としてやり遂げてこられた橋本様のご経験をもとに、現在の日本企業の課題をご議論いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。


1. デュポンの成り立ちと事業ポートフォリオの変遷

デュポンの成り立ち

松田 「まず、デュポンの過去から現在までの成り立ちについて教えてください」

橋本 「デュポンの始まりはフランスのデュポン家がアメリカへ渡り事業を起こしたことに遡ります。1802年に創業し、200年以上たっています。最初の100年は主に黒色火薬を取り扱い、西部劇で見るような回転式拳銃の弾に使われる火薬や山を切り開くときのダイナマイトに使われる爆薬などを供給しました。1900年代の100年は化学製品を主に取り扱いました。セロファン、ナイロン、テフロンといった発明をベースに、例えば繊維で言えば化学繊維事業を展開していきました。そして、2002年に200周年を迎えるのですが、90年代後半くらいから、来る300周年を見据えてデュポンは将来どうなっているべきかについて議論を行い、事業の方向性を考えました。今だと日本の会社にも馴染みのある『メガトレンド』という言葉を90年代後半に使っていたのですが、地球規模のメガトレンドに対してのデュポンの事業ポートフォリオをどう持っていくかというところからスタートしました」

300周年に向けた三つのフォーカス領域『Food・Energy・Protection』

  「当時いろいろな地球規模の潮流がありましたが、方向性としてデュポンとしては三つの領域に絞りました。それが『Food・Energy・Protection』です。それぞれ、食料の増産と確保、化石燃料依存からの脱却、安全と環境の保護を掲げ、300周年に向けたフォーカスの領域としました。食料領域では、農業関係で農薬事業と種子事業を手掛けています。これに関しては、90年代後半にパイオニアという種の会社に最初はマイノリティ出資し、最終的には100%子会社にしました。また、食品素材では、デンマークのダニスコ社を買収しました。この会社はキシリトールといった甘味料を扱っています。そういった形で農薬+種(たね)や食品素材というポートフォリオを充実させていきました。エネルギーに関しては、自動車の軽量化の為に金属代替の耐熱・耐摩耗性樹脂などにつなげられますし、電子材料では、太陽光パネルですとシリコンとガラス以外はすべてもっていて、バックシート、封止剤、電極、フレームの樹脂はすべてデュポンのラインナップで用意できます。もう一つはいわゆる人の保護、自然の保護という意味での安全防護の分野です。これは例えば繊維でもケブラーという鋼のような防弾チョッキの繊維、消防服に使われるような難燃性の繊維を扱っています」

デュポンの事業ポートフォリオマネジメント

  「逆にその三つのメガトレンドから見て

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