[対談・座談会]

2014年5月号 235号

(2014/04/15)

[座談会] 外資企業との連携を決断した日本企業に聞く ~その戦略と実際~

 鵜飼 成典(アクセンチュア グローバルストラテジー シニアプリンシパル)
 佐々木 裕史(アドバネット 代表取締役社長COO)
 園田 崇(ウフル 代表取締役社長)
  (五十音順)
  • A,B,EXコース

左から佐々木 裕史氏、園田 崇氏、鵜飼 成典氏

-- 政府は日本再興戦略の中で対日直接投資倍増を目指すとし、その促進に向けた取り組みに注力しています。対日直接投資の中で大きなウエイトを占める対日M&A(OUT-IN)については、リーマンショック後伸び悩んでいましたが、2013年にはアプライド・マテリアルズと東京エレクトロンとの経営統合があるなど、大型の戦略的案件も出てきました。本日は、外資企業との連携、資本導入を戦略的・積極的に活用することによって成長戦略の実現を図ることを決断した中堅中小企業にご参加頂き、その戦略と実際について語って頂くこととしました。外資導入による成長を検討する企業やその関係者の参考になれば幸いです。なお、アクセンチュアの鵜飼さんには、M&Aアドバイザーのお立場に加え、座談会の司会・進行もお願いいたしております。よろしくお願いします。

鵜飼 「アクセンチュアの鵜飼です。先ず、弊社のビジネスのご紹介ですが、アクセンチュアはグローバルに事業展開するコンサルティング・ファームで、全世界56カ国の約200都市に展開しています。売り上げは2013年8月を期末とする直近決算期で約300億USドル、従業員は28万人を超えています。事業は主に3つの柱からなっており、1つは私が所属する戦略コンサルティング本部で、戦略、オペレーション、ITなどに関わるコンサルティング・サービスを提供しています。2つ目はテクノロジー・サービス部門で革新的なITソリューションの設計、開発、実行などを支援しています。3つ目がアウトソーシング・サービス部門で、ITだけでなく、クライアントの業務そのものを請け負い、運用まで行うようなビジネスプロセスアウトソーシングサービスを提供しています。私自身は、グローバル・ストラテジーというグローバル組織に所属しており、クロスボーダーM&Aを中心としたサービスを提供しています。アクセンチュア自体、国を跨いだグローバルな連携が強い会社ですが、特に私が所属する組織は完全なグローバル組織体として運営されている特殊な形態になっており、オフィス間の協業が年々活発になっています。コンサルティングサービスの内容ですが、M&Aに係る戦略立案、M&Aトランザクションに係るデューデリジェンス、そして、アクセンチュアでは特に重要視していますが、実際にシナジーを実現するポストマージャーまで、M&Aに関するサービスを包括的に提供しています。シナジー創出を実現して投資側、非買収側の双方が価値を認識できるようにすることをポイントにしています。

  私自身はアクセンチュアに入って3年が経過しましたが、米国のビジネススクール卒業後、一貫してM&Aコンサルティングに従事しています。前職にてニューヨークオフィス赴任中は、米国企業による日本企業のM&A(日本から見たOUT-IN)の案件にも多く関わっておりましたので、本日はその辺りの経験も踏まえてお話できればと思います」

 

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