[Webマール]

(2024/10/17)

企業における経済安全保障対応とビジネスへの影響

伊藤 隆(三菱電機 執行役員 経済安全保障統括室長)
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伊藤氏
国際情勢の不安定化を背景に、日本としても経済面での脅威に備えなければならないとする経済安全保障の考え方が浸透しつつある。2022年には「経済安全保障推進法」が成立し、①重要物資の安定的供給の確保、②基幹インフラ役務の安定的な提供の確保、③先端的な重要技術の開発支援、④特許出願の非公開―― に関する4つの制度が創設された。また、2024年にはセキュリティ・クリアランス(適性評価)制度の導入を柱とした「重要経済安全保障情報保護活用法」も成立した。国として、サプライチェーンの強靭化を図る施策などが進められている中、企業側としてはどのような対応が求められているのか。
2020年10月に経済安全保障統括室を設立し、先進的な取り組みを進めている三菱電機の伊藤隆・経済安全保障統括室長に、企業が知っておくべき経済安全保障のポイントとM&Aを含むビジネス全般への影響について聞いた。
企業と経済安全保障の関係

―― 三菱電機が経済安全保障統括室を設立した経緯について教えてください。

「大きなきっかけとなったのは2010年代後半から激しさを増していった米中間の技術覇権競争です。2019年、米国の政府機関は国防授権法(National Defense Authorization Act)に基づいて、中国の通信機器最大手ファーウェイを含む中国企業5社からの製品調達を禁止するとともに、これら中国企業の製品を使用している企業との取引も禁止しました。そして、



■伊藤 隆(いとう・たかし)
1986年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。同年三菱電機入社。半導体分野の営業、マーケティング、事業計画の策定等に従事。日本経済団体連合会への出向等を経て、2020年より経済安全保障統括室長、2023年執行役員に就任。

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