[Webインタビュー]

(2023/01/26)

【第153回】中小M&Aの「成約支援会社」としてサービスの多角化を進めるバトンズ

神瀬 悠一(バトンズ 代表取締役社長)
  • A,B,C,EXコース


潜在的マーケットは100万者と認識

―― 事業承継関連ビジネスのマーケットの現状や見通しをどう分析していますか。

「中小企業庁によると、中小企業や小規模事業者の約3分の1の127万者が後継者未定で、そのうち約半数が黒字廃業の可能性があるとの指摘があります。バトンズでは黒字企業の事業承継案件だけでなく、成約した案件の35%くらいが赤字企業の事業承継案件です。また、当社は、もともとは年間売り上げが1億円未満のスモールM&Aが得意だったのですが、昨今では比較的大きな案件も扱うことが増えています。こうした実態を踏まえて考えると、潜在的なマーケットは100万者程度あると考えています」

―― どういったサービスを提供しているのでしょうか。

「当社はよく、2つの顔がある、と言っています。エンドユーザーである売り手・買い手に対しては、成約支援関連のサービスを提供しています。他方でエンドユーザーを支援するM&Aアドバイザーに対しても、M&A支援業務を効率的に進めるための業務支援サービスを提供しています。会社情報を正しく伝えるためのIM(インフォメーション・メモランダム)の作成サービス、リスクを洗い出すDDサービス、契約書草案やクロージングパッケージを作成するシステムです。様々なサービスを提供しているので、対外的には、自社を『成約支援サービスの会社です』などと説明しています。

 当社はいわゆる『マッチングサイト』とは違います。外から見た顔つきでいうと、案件のノンネーム情報が沢山並んでいてマッチングができるM&Aプラットフォームのサービスを提供している会社、と捉えられることが多いのですが、当社にとってのマッチングは、あくまでも1つの機能でしかないです。

 M&A仲介会社の営業に即して言えば、1人当たり年間3~5件を扱うのがせいぜいですが、バトンズを使えばその10~20倍、1人換算で年間100件の案件のサポートが可能になるモデルを目指しています」

―― マッチング(成約支援関連)サービスの領域では、バトンズはどのように使われていますか。

「現在は、売り手の8割が年間売上高で1億円未満、2割が1億円から10億円程度の規模の会社での利用です。だんだんと、日本企業の年商ピラミッド通りの利用のされ方になりつつあります。

 また、現在、事業承継型のM&A案件での利用は全体の6割程度で、4割が比較的若い経営者の方々の事業整理…


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