[視点]

2010年2月号 184号

(2010/01/15)

第三者割当と取引所の自主規制

大阪大学大学院法学研究科 准教授 久保田安彦
  • A,B,EXコース

第三者割当と取引所の自主規制


大阪大学大学院法学研究科 准教授 久保田安彦


東証による新ルール制定とその概要


東京証券取引所で、株式や新株予約権といったエクイティ型金融商品の第三者割当発行に関する新しいルールが制定され、二〇〇九年八月二四日から施行されている。より具体的には、大量の株式や新株予約権の第三者割当発行がなされ、既存株主の議決権が二五%以上希釈化する場合または支配株主の異動が生ずる場合には、原則として、経営者から一定程度独立した者による当該割当の必要性・相当性に関する意見の入手、または、株主総会決議などによる株主の意思確認の手続が求められることになった(東京証券取引所・有価証券上場規程四三二条)。さらに、株式・新株予約権の第三者割当発行について、その払込金額をどのように算定したのか、その根拠や具体的な内容の適時開示が義務づけられ、必要に応じて監査役等の意見の開示も要求されるほか(同規程四〇二条、同施行規則四〇二条の二)、既存株主の議決権の希釈化率が三〇〇%を超える第三者割当の決定などが上場廃止基準として追加された(同規程六〇一条一項一七号、同施行規則六〇一条一三項六号)。
 

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