[M&Aスクランブル]

(2019/10/30)

資生堂:米国市場中心に真のグローバル化に舵を切る

マール企業価値研究グループ
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 業績好調を維持している資生堂だが、また新たに海外市場-特に米国市場を重視した成長戦略に挑もうとしている。同社は10月8日に約900億円をつぎ込んで米国の新進化粧品企業であるドランクエレファント(以下、DE)を買収すると発表した。買収完了は2019年12月期中となっている。同社はいわゆる化粧品のクリーン市場(成長する体や環境にやさしい天然由来成分を使用した化粧品やスキンケア商品)において若者を中心に幅広く展開している企業。19年の連結売上高は前年比+67%の約134億円が見込まれており、営業利益は2桁台と高い収益率を実現している。クリーン市場は化粧品市場全体を上回るスピードで成長しているといわれ、今後数年で年率9%成長(化粧品全体は4%程度)と試算されている。

 資生堂にとって米国企業買収は2010年以降3社目である(2010年:ベアエッセンシャル、2016年:ガーウィッチプロダクツ)。10年に買収した、これも自然派化粧品をコア製品とするベアエッセンシャル社(ブランド:ベアミネラルズ)の業績が、競争激化もあって芳しくなかったこともあり、資生堂は最近では米国での積極的な買収戦略を打ち出してこなかった。しかし、今回の買収決定の背景のひとつには業績好調で財務面での余裕ができたことがあるとみられる。実際、「...


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