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[M&Aスクランブル]

(2020/08/13)

COVID-19禍で待ったなしの生産性向上問題とM&Aの役割

竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング パートナー)
成長しない日本

 誰もが、「長きにわたって日本は成長していない」と聞かされている。では、その悪さ加減は果たしてどの程度か。われわれは、未来に対してどれほどの覚悟を決める必要があるのか。

 図1は、国連のデータを使用して、2018年実質GDP上位20カ国を対象に、1993年からの四半世紀の成長を鳥瞰したものである。中国、インドを別として、上位各国は25年間で実質GDPを1.5倍から3倍程度に伸ばしている。例えばUSAは1.9倍(+9.1兆ドル)、UKは1.7倍(+1.3兆ドル)であるが、日本は1.3倍(+0.9兆ドル)にとどまる。これを年平均成長率に換算すると、USAの2.5%、UKの2.2%に対して、日本は1.0%である。わずか1.2%~1.5%の違い、と思われるかもしれないが、25年間では大きな違いを生むのである。


 このGDP成長率を、①人口要因(人口増加率、X軸)と、②生産性要因(一人当たりGDPの増加率、Y軸)に分解してプロットしたのが、図2である。補助線は、ここでは便宜的に直線で引いた。日本の場合、直視して取り組むべきは、生産性の向上である。人口要因を無視するものではないが、人口は各国それぞれの社会事情を複雑に反映したもので、おのずと長期政策の対象である。日本には、長期政策が奏功するまでの間、人口が増えない分を生産性向上に積み増す覚悟が必要だ。..


■筆者履歴

竹田 年朗(たけだ としろう)
マーサージャパン株式会社
グローバルM&Aコンサルティング パートナー
株式会社大林組、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ワトソンワイアット 、ベイン・アンド・カンパニーを経て現職。
日本企業の海外企業買収に対して、デュー・デリジェンスからPMIまで、幅広い支援を提供している。特に最近は、買収先のコントロールの確立、および経営統合・組織統合をテーマとしている。
経済産業省「海外事業者の視点に基づく日本企業との投資提携の定着に関する調査」研究会委員を務める。
2009年12月から2018年12月まで、M&A専門誌「MARR」にて毎月論文を連載*、その後も寄稿随時。著書に「クロスボーダーM&Aの組織・人事PMI」(2019年中央経済社刊)、「クロスボーダーM&Aの組織・人事手法~コントロールと統合の進め方」(2016年中央経済社刊) 、「クロスボーダーM&Aの組織・人事マネジメント」(2013年中央経済社刊、第7回M&Aフォーラム賞奨励賞受賞)などがある。クロスボーダーM&Aに関するセミナーも、積極的に行っている。
石川県金沢市出身。東京大学法学部卒、コーネル大学ジョンソンスクール経営学修士課程修了(MBA)。

*MARR 論文連載一覧 : https://www.marr.jp/etc/strategy/


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