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[M&A戦略と法務]

2019年5月号 295号

(2019/04/15)

化粧品事業に関するM&Aの留意点

白木 淳二(TMI総合法律事務所 パートナー)
1. はじめに

 近年、医薬品業界におけるM&Aは武田薬品工業株式会社によるシャイアーの買収等、巨大案件も多く、注目を集めているが、ヘルスケアの業界において化粧品事業についても、買収等は活発に行われている。

 かかる化粧品事業のM&A取引に関して、デューデリジェンス(以下「DD」という。)、取引実行の際の許認可の取得・承継、取引実行後のコンプライアンスの観点から、固有の規制等を中心に概観し、その他の留意点について述べたい。


2. 化粧品に関する規制及び許認可等

(1) 化粧品規制の概要

 M&A取引においては、取引後に事業の適法な継続性を確保する必要があり、その観点からも、取引対象事業が規制に従って適法に運営され、かつ、取引後においても当該規制の遵守について問題がないかを確認する必要がある。

 化粧品に関する主要な規制は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」という。)である。薬機法では、当該薬機法にも製造販売等を業として行うことに関する業規制としての許可等と、化粧品毎の承認・届出等の規制がある。

 化粧品の広告についての規制も注意が必要であり、薬機法及び不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)の規制がその主な内容となる。

 後述の取引態様の項目で述べるように、取引態様によってさまざまな規制対応が問題になることも多い。

 本稿においては、特に化粧品固有の問題の多い薬機法を中心に、化粧品の規制を概観する。

(2) 薬機法

(a) 「化粧品」の定義

 薬機法において、「化粧品」は「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」と定義され(薬機法第2条第3項)(注1)、当該定義で定められる化粧品に該当する場合は、薬機法の規制対象となる。

 なお、当該定義では、上記の化粧品定義内で規定される使用目的のほかに、「医薬品」と分類されるような、疾病の診断、治療、予防等や、身体の構造又は機能に影響を及ぼすことも、併せて目的とする場合は、「化粧品」の定義からは除外され、「医薬品」等として、薬機法におけるより強い規制を受ける場合がある(薬機法第2条第3項、第1項第2号及び第3号参照)。

(b) 薬機法上の化粧品の規制の概要

 化粧品の事業に関する薬機法上の規制としては、主に以下の規制が特に留意が必要と考えられる。

➢ 化粧品の「製造販売等を業として行うこと」の「許可等」
➢ 化粧品製造販売業者における、総括製造販売責任者等の選任
➢ 化粧品自体の「承認・届出等」
➢ 化粧品の広告に関する規制

(c) 化粧品にかかる薬機法上の許可等

 化粧品にかかる薬機法上の許可等については、以下に記載のとおり、化粧品の製造販売又は化粧品の製造について、それらを業として行うためには、それぞれ以下の許可を取得することが要請されている。

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