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[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

2019年8月号 298号

(2019/07/16)

第172回 ドラッグストア・調剤薬局業界 ココカラファイン、マツモトキヨシHD、スギHDによる三つ巴のドラッグ業界再編劇

~調剤薬局、コンビニとの業態横断競争も激化

編集部
業界地図を大きく塗り替える統合

 ドラッグストア業界7位のココカラファインをめぐる5位のマツモトキヨシ、6位のスギホールディングスによる争奪戦が、業界関係者の注目を集めている。

 ことの始まりは、2019年4月26日、ココカラファインとマツモトキヨシHDとの資本業務提携検討に関する発表だった。業界5位と7位の資本業務提携の動きは、業界に衝撃を与えた。ところがその後、6月1日にココカラは業界6位のスギHDと経営統合に向けた協議を開始することを発表。それを受ける形で6月5日にはマツモトキヨシHDもココカラと経営統合を含めた検討、協議を開始することを公表するに至って、業界大手3社による統合合戦が大きな波紋を投げかけることになった。もともとスギHDは4月下旬にココカラに正式に統合を打診していたといわれ、ココカラとスギHDは、7月末までに経営統合に関する基本合意書の締結を目指していたという。一方、ココカラとマツモトキヨシHDとの資本業務提携は、9月までに最終契約の締結を目指すと発表されていた。ココカラでは社内に特別委員会を立ち上げてスギHDとマツモトキヨシHDの両社からの提案の検討に入っているが、いずれの組み合わせでも業界地図を大きく塗り替えることになるだけに、特別委員会がどのような結果を出すのか、業界関係者は固唾を飲んで見守っている。


断トツの巨大チェーン誕生へ

 ココカラは関東を地盤とするセイジョーと関西地盤のセガミメディクスが08年に経営統合、13年に傘下の6子会社を統合してできた。管理栄養士が健康相談にのる「予防、未病領域」、処方箋医薬品を扱う「調剤」、訪問介護・看護などの「介護、終末期領域」という3つの領域を備えているのが強みだ。関東、関西で1354店舗を展開し、17年にエイチ・ツー・オーリテイリング傘下のスーパー「イズミヤ」が運営する調剤薬局を買収。18年にはバローHDを買収。19年5月にはエイチ・ツー・オーリテイリングとの提携を発表した。提携内容は、20年4月に「イズミヤ」から食品販売事業会社を分割して日用品を販売する新会社を共同出資で設立して、ココカラファインの商品調達力を生かして日用品販売事業の立て直しを支援するというもの。このようにココカラは他社との連携にも積極的に取り組んでいる。

 一方、マツモトキヨシは首都圏を中心に1654店舗を展開する。化粧品の構成比が高く、化粧品などのプライベートブランド(PB)に強みを持っている。

 また、スギHDは関東、中部、関西で1190店舗を主に郊外で展開。そのうち833店舗が調剤実施店舗と、ヘルスケア領域に強みを持っているのが特徴だ。

 ココカラの19年3月期の売上高は4005億円、マツモトキヨシHDの売上高は5759億円、スギHDの19年2月期の売上高は4884億円だから3社のうちいずれの2社の組み合わせでも業界トップのウエルシアHDの売上高7791億円をはるかに超える断トツの巨大チェーンが誕生することになる。


激化するコンビニVS.ドラッグストア

 18年度のドラッグストア業界の市場規模は、前年度比6.2%増の7兆2744億円(推計、日本チェーンドラッグストア協会調べ)で、総店舗数は2万店を超えた。すでに百貨店業界の売上高を超え、10兆円超のコンビニエンスストア業界に迫る勢力となっている。一方で、ドラッグストアの出店競争は激化しており、食品や日用品の安値攻勢で顧客を集め、収益が高い医薬品や化粧品で稼ぐというドラッグストアのビジネスモデルも、薬剤師不足による人件費高騰が出店拡大の重荷となっていることなどもあって、成長の壁にぶつかっているとの声も聞かれる。

 「コンビニエンスストア業界は、全国に約58,000店に及び、セブン・イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップの大手4社で約5万3000店に達します。大手4社の2019年度の出店計画によると、

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