[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2024年9月号 359号

(2024/08/09)

【カーライルのトップが語る】 日本KFCホールディングスの成長加速戦略と新設5号ファンド4300億円の投資方針

  • A,B,C,EXコース
富岡隆臣 カーライル 日本共同代表兼マネージングディレクター(左)と蕪木学 同 マネージングディレクター

富岡隆臣 カーライル 日本共同代表兼マネージングディレクター(左)と蕪木学 同 マネージングディレクター

三菱商事が35.12%の持株を売却

 米投資ファンドのカーライルは、「ケンタッキーフライドチキン」を運営する東証スタンダード上場の日本KFCホールディングス(以下、日本KFC)を買収した。TOBのほか、日本KFC株35.12%を持つ三菱商事などから株を買い取り、9月をめどに完全子会社化する。買収額は約1300億円。

 日本KFCは、1970年に当時の米KFC社と三菱商事の合弁で設立された。その後、1972年に米KFCはヒューブライン・インクによって買収、さらに1982年にヒューブライン・インクがR・J・レイノルズ・インダストリーズ・インクに買収されるなど、米KFCの親会社が転々と変わり、現在はヤム・ブランズの傘下にある。そこで、2007年に三菱商事は約3割の日本KFC株を買い増して、子会社化した。ヤム・ブランズと日本KFCとの間に資本関係はないが、ブランドや一部商品の共通化に関してマスターフランチャイズ契約を結んでいる。

 三菱商事の子会社となった日本KFCだったが、資産の入れ替えによる収益力強化を打ち出した三菱商事が2015年以降、日本KFCの持株を売り出し、保有比率は35.12%まで下がっていた。日本KFCの2024年3月期の連結業績は、売上高1106億8500万円(対前連結会計年度比10.8%増)、営業利益58億6200万円(同61.9%増)、経常利益67億700万円(同54.4%増)、当期純利益は43億3200万円(同74.0%増)と堅調だ。しかし、三菱商事は2022年度から始まる3カ年の「中期経営戦略2024 MC Shared Value(共創価値)の創出」の下、戦略的事業ポートフォリオの入れ替えを推進しており、その一環として日本KFCの持株売却を決めた。

 日本KFC買収の経緯と今後の成長戦略、さらに2024年5月に資金調達を完了した日本のバイアウト投資向け第5号ファンド「カーライル・ジャパン・パートナーズV」の投資方針を富岡隆臣 カーライル 日本共同代表兼マネージングディレクターと蕪木(かぶらき)学 同 マネージングディレクターに聞いた。

<インタビュー>
他社にないロングラン商品の強みを活かし、売上拡大、新規出店を支援

 富岡 隆臣(カーライル 日本共同代表兼マネージングディレクター)
 蕪木 学(同 マネージングディレクター)

<目次>
  • トランザクションの特徴
  • 日本KFCの魅力と課題
  • 成長戦略支援
  • 4300億円の5号ファンドレイズの背景
  • 「ポートフォリオ・ソリューションズチーム」を立ち上げ
  • 共同代表としての役割

この記事は、Aコース会員、Bコース会員、Cコース会員、EXコース会員限定です

*Cコース会員の方は、最新号から過去3号分の記事をご覧いただけます

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

関連記事

バックナンバー

おすすめ記事