[編集部から]

2023年5月号 343号

(2023/04/11)

次号予告と編集後記(2023年5月号)

次号予告

2023年6月号
特集:LBOファイナンスの将来展望~高度化に向けたPEファンドと金融機関の創意工夫
2023年5月12日 マールオンライン上のリリース 
2023年5月17日 発売予定 
※内容は変更されることがあります。タイトルは仮題です。

編集後記

■金融庁で公開買付制度や大量保有報告書制度の見直し、加えて「実質株主の透明性確保」のための議論が今事務年度内(~2023年6月末まで)にも始まります。関連する制度が17年ぶりに見直されるのをきっかけに、歴代の金融庁の企業開示課長の経験者複数名に、非公式に話を聞く機会を頂きました。
素朴な疑問は、なぜ制度が改正されずに2023年まで来たのか、についてです。この点については、「制度が複雑で、改正するのがかなり難しい仕事だから」というコメントが多かったです。前回の2007年法改正時の議事録は公にはなっていませんが、審議会での議論は紆余曲折を経て、込み入った制度改正をしたそうです。当時の担当官は、「3年持つかどうか」などと悩み抜いて法律を書いたと言います。
幸い、金融庁発足から23年が経過し、現在の企画市場局の体制・陣容は以前よりも整っています。金融庁を長年にわたり取材する過程で、法文を書き、成立させる仕事の大変さが少しは分かるようになりました。M&A専門メディアとして何が資本市場のためになるのかを考え、情報発信ができればと思います。(武)

■自宅近くに興味深い企業を見つけました。食品工場の製造過程で生じる食品残渣や規格外の野菜などを細かく切り刻み、乾燥殺菌し、食品原料パウダーに再生する装置を独自開発したフードテックベンチャーの「ASTRA FOOD PLAN」(埼玉県富士見市)です。埼玉県は全国でも食品工場が多く、食品残渣や規格外の野菜など廃棄される「かくれフードロス」の発生量も多いとか。同社は食品会社などへ食品の乾燥・殺菌装置を販売すると同時に、その装置で作られた食品原料パウダーを別の食品メーカーへ提案し、新たな商品として販売するアップサイクルプロジェクトに取り組んでいます。最近では、牛丼チェーン店の野菜加工工場から出る玉ねぎの端材をパウダーにし、大手パンメーカーにパン用の原料として提案、オニオンブレッドとして製品化、販売されています。装置販売だけでなく、企業と企業を結び付けるマッチングの役割も担っています。今後もどんな企業の組み合わせで新たな製品が生まれるのか、注目です。(礼)

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