[特集インタビュー]

2023年4月号 342号

(2023/03/09)

【スカイマーク会長が語る】再上場までの道のりと今後の成長戦略

山本 礼二郎(スカイマーク 取締役会長、インテグラル 代表取締役パートナー)
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山本 礼二郎(やまもと・れいじろう)

山本 礼二郎(やまもと・れいじろう)

一橋大学経済学部卒。MBA(ウォートン)及び、MA(ローダー・インスティテュート)取得。1984年三井銀行(現 三井住友銀行)に入行。1990年ATカーニー(シカゴ)勤務。1991年ロンドンでストラクチャード・ファイナンスに従事。1998年帰国、さくら銀行(現 SMBCグループ)企業情報部でグループヘッドとしてクロスボーダーのM&Aを担当。2000年ユニゾン・キャピタルに参画。2004年4月GCA取締役パートナー就任。2005年10月メザニン代表取締役就任。2007年9月インテグラル代表取締役パートナー就任(現任)。2021年4月スカイマーク取締役会長に就任。

 スカイマークが2022年12月14日、東京証券取引所グロース市場へ再上場した。

 スカイマークは、1996年に航空業界で国内初の新規参入企業として設立され、2000年に東京証券取引所マザーズに上場、その後2013年には第一部へ市場変更された。国内第3位の航空会社として格安料金を武器に業容を広げたが、大型機材購入をめぐって経営危機に陥り、15年1月28日、自力での経営再建を断念し、民事再生法を申請、3月1日付で上場廃止となった。

 このスカイマークの再建に名乗りを上げたのは、独立系プライベートエクイティ(PE)ファンドのインテグラルのほか、ANAホールディングス(HD)、日本政策投資銀行(DBJ)、三井住友銀行(SMBC)。

 その後のスカイマークの再生は順調に進んだ。2019年3月期決算の売上高(事業収益)は、882億円となり、前期の828億円に較べて6.5%増、破綻前の2014年3月期の売上高859億円を超えて過去最高を記録。営業利益は72億円(前期比0.7%増)、当期純利益でも過去最高を記録した2012年3月期の77億円を抜いて91億円(前期比30%増)を計上して、4期連続で増収増益を達成。こうした好業績を背景に、2019年10月には東京証券取引所に上場申請を行うまでになった。

 しかし、中国・武漢に端を発するコロナ2019のパンデミックによって、世界経済はリーマンショック以上の苦境に直面、スカイマークも上場申請の取り下げを余儀なくされた。

 民事再生下で、業績のV字回復のためにどのような経営改革が行われたのか。さらに、コロナ2019禍を経て、今回の再上場に向けてどのようなエクイティストーリーを描いたのか。スカマークの山本礼二郎・取締役会長に聞いた。
「明日清算手続きを発表する」

―― スカイマークは2022年12月14日、東京証券取引所グロース市場へ再上場しました。この間、2019年10月に上場申請を行いながら取り下げるというアクシデントもありました。まず、紆余曲折を経た再上場までの道のりについてうかがいたいと思います。

 スカイマークは、2015年9月からインテグラルなどの主導の下で民事再生に取り組み、17年3月期には4期ぶりに通期で黒字となり、19年3月期決算では過去最高の売上高882億円を達成しました。こうした好業績を背景に、19年10月には東京証券取引所に上場申請を行うまでになったわけですが、2015年に民事再生に追い込まれたスカイマークが抱えていた課題と、その後の再生プロセスについて教えてください。

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