[【投資ファンド】成長に貢献するオープンイノベーション/Corporate Venturing(AT PARTNERS)]

(2022/04/22)

【第2回】日本のCorporate Venturing1丁目1番地1号

秋元 信行(AT PARTNERS 代表取締役 General Partner)
  • 無料会員
  • A,B,C,EXコース
Corporate Venturingとは?

 広義には「目的(革新的もしくは破壊的な新事業、新価値、新技術、新サービス等の創造、既存事業の強化・拡張)達成のためのタネを見つける、作る手段であるスタートアップ投資、社内ベンチャー制度、アクセラレーションプロブラム等」と言えると思います。が、全てを網羅的に議論し始めるとそれぞれ個別に連載を企画しないと語りきれないボリュームになってしまうことから、今回は「スタートアップ投資」に焦点を当てたいと思います。また「タネを見つける」という観点から、ここではマイノリティ出資を前提に議論いたします。

 大手事業会社によるスタートアップへのマイノリティ出資には、以下のようなスキームが考えられます。

1)本社(親会社)バランスシートからの出資
2)子会社(CVC を含む)バランスシートからの出資
3)本社(親会社)と子会社(CVC)によるファンド組成=>当該ファンドからの出資
4)本社(親会社)と第三者のベンチャーキャピタルによるファンド組成=>当該ファンドからの出資
5)ベンチャーキャピタルファンドへのLP投資=>当該ファンドからの出資 等々。


 目的達成手段として有効であるもののそれぞれ特長があることから、自社にとってどのような建て付けにするのがベストなのかをしっかり考える必要があります。日本の大手事業会社の場合、仕掛けが大きいが故に一旦動き出すと簡単にやり直しができないケースが圧倒的に多いという状況(*)に鑑みれば、建て付けこそがCorporate Venturing活動の1丁目1番地1号と言えるでしょう。

(*)少々脱線:立ち上げるのにはかなりのエネルギーが必要であるため、無事社内承認が得られ子会社設立等必要な環境が整うと、実は何も始まっていないのにえらい達成感と疲弊感を感じるケースもあります。

...


■ 筆者履歴

秋元 信行

秋元 信行(あきもと・のぶゆき)
代表取締役 General Partner
AT PARTNERS株式会社
・NTTドコモ ではシリコンバレーに駐在し米国研究所を立ち上げ、その後CVCを設立しCEOに就任
・DOCOMO Capital, Inc.のPresident & CEO、DOCOMO Innovations, Inc. Chairmanを歴任
・NTTでは海外投資案件に携わり、その後ドコモに転籍
・一貫してStartupとの協業によるOpen Innovation、Corporate Venturing活動に従事
・日本ベンチャーキャピタル協会 フェロー

続きをご覧いただくにはログインして下さい

この記事は、無料会員も含め、全コースでお読みいただけます。

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

関連記事

バックナンバー

おすすめ記事