首都圏で家電量販店を展開するノジマ(神奈川県横浜市、24年3月期の売上高は業界第3位)は、2024年11月11日に日本の
プライベート・エクイティ・ファンド運営会社である日本産業パートナーズ(以下JIP)からパソコンメーカーのVAIOを買収すると発表した。買収金額は約112億円。ノジマが管理する特別目的会社が、JIPとJIP子会社が運営するファンドから約93%の株式を取得する。ノジマはVAIOを子会社化するするとはいえ、役員を派遣することはなく、VAIOの事業運営方針には口を挟まないとのことだ。これまでのVAIOの経営方針を尊重し、あくまでもグループの一員としての成長ポテンシャルを一層引き出すことを念頭に置いている。子会社化は25年1月6日が予定されている。
VAIOは、かつてはソニーの有力パソコンブランドであったが、10年以降、韓国や台湾メーカーとの競争が激化、収益低下に見舞われた。14年にリストラの一環で、JIPに売却されていた。その後は紆余曲折を経て、高機能品で差別化が図れる法人向けのパソコン事業に経営資源を集中、全売上高の80~90%を法人向けパソコンが占めるようになった。新型コロナ禍においてリモートワークが広がりを見せる中、技術開発にも磨きをかけて個人向けにも事業を拡大していた。
実際、営業利益の推移をみると、