トランスフォーメーションを目的としたディールの増加
―― 2024年の日本のM&A市場についてどのように総括していますか。
「振り返ると、2023年のM&A市場も非常に活況で、我々自身も好調な年でした。その流れが2024年も継続しているという状況です。買手も売手も非常にアクティブであり、市場全体が動いているという印象です。
その要因は、資本市場からの要請により、ガバナンスを強化したり、財務指標を改善したりといった経営上の要請から、会社を売却したいと考える経営者が増えていることだと思います。一方で、成長のために積極的に買収を検討している企業も多いです。この構図が2024年も続いているのだと思います。
また、特に目立つのは、トランスフォーメーションを目的としたディールの増加です。単に事業規模を拡大するだけでなく、事業ポートフォリオを大胆に組み替えることを目的とした案件が増えている印象を受けます」
―― トランスフォーメーションを目的としたディールは増えそうなのでしょうか。
■鈴木 慎介(すずき・しんすけ)
1995年3月東京大学工学部卒、2002年6月カリフォルニア大アーバイン(UCI)経営大学院MBA取得。1996年4月クボタ入社。PRTM(Pittiglio Rabin Todd & McGrath)、日本産業パートナーズを経て、PwC PRTMマネジメントコンサルタンツ入社。2016年3月PwCコンサルティング合同会社(Strategy&)に異動し、パートナー就任。2017年7月PwCアドバイザリー合同会社に異動、2019年7月DS&O(Deals Strategy & Operations)リーダー就任。2022年7月CSO(Chief Strategy Officer)就任。2023年7月COO(Chief Operating Officer) 就任。2024年7月代表執行役社長に就任。