M&A専門誌マール

2018年02月01日(木)

M&Aスクランブル

2017年1-12月の全国・地域別M&A状況 地方のM&A~中小企業の事業承継・事業再生と地域金融機関の対応~

1.2017年のM&Aは買い手で過去最高、売り手も過去2番目の高水準

  47都道府県に本社を置く日本企業が2017年1年間に実施(発表)したM&A件数を全国6ブロック別(地方別)にまとめ、それぞれ買い手(当事者1)、売り手(当事者2)別に集計し、2016年と比較してみると、買い手2630件、売り手2239件で、買い手は前年比18.1%増え、過去最高を記録した。他方、売り手も同19.7%増で、2006年の2272件に次ぐ過去2番目の高水準となった(図表1)。日本企業の再編や再生、成長支援や事業承継などにM&Aが欠かせないツールとなっている。

  買い手の2630件を業種(中分類)別にみると、投資ファンドなどの「その他金融」が560件で最も多い。前年比21.3%増加し、全体の21.2%を占めた。バイアウト系ファンドによる事業再生支援、事業承継支援の活発化に加え、事業会社によるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)や地銀による地域企業の成長を後押しするファンドなどの相次ぐ設立と実行が背景にある。他方、売り手の2239件の業種別では「ソフト・情報」が726件で圧倒的に多い。前年比52.2%増加し、全体の32.4%を占めた。日本企業のイノベーション創出に向けて、AIやIoT関連ベンチャーへの投資が急増している。

  買い手2630件、売り手2239件の所在地を「東京都」と「東京都以外」に分けると、買い手は「東京都」1748件、24.1%増、「東京都以外」882件、8.0%増、売り手は「東京都」1316件、32.0%増、「東京都以外」923件、5.7%増と、買い手、売り手ともに「東京都」の伸び率が高く、一極集中の様相だが、「東京都以外」も増加しており、地方でのM&Aは確実に増えていると言える。

2.全国6ブロック別M&Aの状況

  全国6ブロック別では「関東・甲信越」で買い手が1922件、24.6%増、売り手が1544件、26.4%増と、買い手、売り手ともに大幅増加となった。「東京都」一極集中化が大きく影響した。

  そのほかでは、「北陸・中部」で買い手が164件、16.3%増、売り手が130件、6.6%増、「近畿」で買い手が322件、4.5%増、売り手が257件、19.0%増、「九州・沖縄」で買い手が88件、4.8%増、売り手が112件、13.1%増と、買い手・売り手ともに増加した。一方で、「北海道・東北」で買い手が72件、7.7%減、売り手が131件、3.0%減、「中国・四国」で買い手が62件、13.9%減、売り手が65件、15.6%減と買い手・売り手ともに減少したのが目立つ。



3.全国6ブロック別M&Aの主な事例

①北海道・東北地方

  買い手72件を業種別にみると、「その他金融」が30件と、ブロック全体の41.7%を占めた。そのほか、「銀行」が8件、「その他小売」が7件あった(図表2)。

  「その他金融」では、七十七銀行が出資し、七十七キャピタル(仙台市)が運営する77ニュービジネス投資事業有限責任組合による水産加工業のヤマナカ(宮城県石巻市)への資本参加など、宮城県で11件、岩手銀行などが出資し、いわぎん事業創造キャピタル(盛岡市)と事業創造キャピタル(新潟市)が共同運営する岩手新事業創造ファンド1号投資事業有限責任組合(盛岡市)による障がい福祉サービス就労継続支援事業所運営の幸呼来Japan(同)への資本参加など、岩手県で9件あった。「銀行」では、北洋銀行が千葉銀行グループの100%子会社のちばぎんアセットマネジメント(東京)に資本参加するなど、北洋銀行だけで7件あった。「その他小売」では、東証1部上場のニトリホールディングス(札幌市)が中古住宅再生販売のカチタス(群馬県桐生市)に資本参加したほか、東証1部上場でドラッグストア大手のツルハホールディングス(札幌市)が同業の杏林堂薬局(静岡県浜松市)の持株会社である杏林堂グループ・ホールディングス(同)を買収するなど、業界上位企業のM&Aの動きが見られた。

  売り手131件の業種別では、「サービス」が20件で最も多く、次いで「ソフト・情報」の17件だった。

  「サービス」では、東証1部上場の東京センチュリー(東京)の子会社でレンタカー事業のニッポンレンタカーサービス(同)が、同じく東証1部上場の東京急行電鉄(同)の孫で同業のニッポンレンタカー北海道(札幌市)を買収した。「ソフト・情報」では、産業革新機構(東京)、全国農業協同組合連合会(JA全農、同)、農林中央金庫(同)、住友商事、ホクレン農業協同組合連合会(札幌市)による農・畜産農家向けクラウド型牛群管理システム牛個体管理センサー開発・販売ベンチャーのファームノートホールディングス(北海道帯広市)への資本参加などがあった。

②関東・甲信越地方

  買い手1922件を業種別にみると、「その他金融」が445件、「ソフト・情報」が326件、「サービス」が274件と上位を占めた(図表3)。うち、東京都に所在する企業の件数はそれぞれ421件、316件、250件だった。

  「その他金融」では…




 

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