[寄稿]
2010年6月号 188号
(2010/05/14)
一 はじめに
ジャスダック上場の中堅不動産デベロッパーである株式会社コスモスイニシア(以下「C社」という)は、2009年4月17日、事業再生ADR手続の申請を行った。同案件では、2009年9月28日開催の第3回債権者会議において、対象債権者全員の同意をもって事業再生計画が成立したが、(1)事業再生ADR手続の運用開始後、取引金融機関に対して債権放棄・DESを要請した案件としてはおそらく最初の案件であったこと(注1)、(2)債権放棄・DESの要請額も相当規模にのぼるものであったこと、(3)メインバンク不在の中、事業再生計画案の立案や金融機関相互間の利害調整を、名実ともに債務者が主導で行わなければならなかったこと等、案件として必ずしも容易なものではなかったことから、手続中から各方面の注目を集めていた案件である。
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