[寄稿]
2011年3月号 197号
(2011/02/15)
「質」「量」ともに地位低下
経済産業省が、今日の日本の産業の行き詰まりや深刻さを踏まえ、今後、日本は何で稼ぎ、雇用していくのかについてまとめた「産業構造審議会産業競争力部会報告書~産業構造ビジョン2010~」(2010年6月、以下ビジョン)は、日本経済が「質」「量」ともに世界の中での相対的地位が低下し、結果、国としての競争力が急激に低下していると指摘している。ビジョンによると、日本の一人当たりGDP の世界ランキングは、2000年には3位であったが、08年には23位に。また、世界全体のGDPに占める日本のGDP の割合は1990年には14.3%であったが、08年には8.9%にまで縮小。さらに、IMD(国際経営開発研究所)国際競争力ランキングでも、日本は90年の1位から10 年には27位にまで下落しており、「今後の世界経済全体の動向を見ても、一昨年秋から始まった世界金融危機・同時不況から緩やかに回復しつつあるものの、今後の市場拡大は、人口等を勘案すると内需や欧米から、アジアを中心とした新興国にシフトしていくことは避けられない。こうした事実から目を背けず、正面から受け止めなければ、我が国経済の行き詰まりの打開は有り得ない」と危機感をにじませる。
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