[【小説】経営統合の葛藤と成功戦略]
2011年10月号 204号
(2011/09/15)
合併白紙の現実味が日々増す中で、山岡ファイナンスサービス社と渋沢ファイナンスコーポレーション社の両事務局長は自助努力による解決を断念し、株主介入による事態打開を目指すことで内々合意した。
渋沢FC社の筆頭株主であるメガバンクへは、事務局長の横山友樹自身がその銀行からの出向者でもあるため、自らの判断で容易にコミュニケーションをとることが可能であった。一方で山岡FS社事務局長である松尾明夫は、自社筆頭株主であり実質支配権を持つ総合商社に適切にアプローチすべく、社内の根回しを含めた綿密な作戦を考えなければならなかった。
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