M&A専門誌マール 2017年5月号 271号(2017/04/17発売)

特集: ビジネス・デューデリジェンスの実際

ビジネス・デューデリジェンス(DD)という言葉が、一般的に使われるようになってまだ10年に満たないのではないか。2006年に、今回の座談会にご登場いただいた岡俊子氏が率いていたアビームM&Aコンサルティング編の『ビジネス・デューデリジェンスの実務(中央経済社)』が上梓されるまで、デューデリジェンスといえば財務DDと法務DDをまず思い浮かべるのが普通であった。いずれも、会計士や弁護士に依頼するものという意識が強く、その報告書頼みというのが当時の実態で、その意識はひょっとすると今でもあまり変わっていないのかもしれない。それに比べ、ビジネスDDは異色だ。買収した後、どうやって成長に結び付けていくのかというストーリー(仮説)を持ったうえで、それが実現できるのか、リスクは何かを検証する作業であり、買い手が主体的に行うべきもの、DDアドバイザーの助けを借りたとしても人任せにできないものだからだ。しかも、その巧拙がM&Aの成否を分けるとさえ言われるようになってきている。しかし、『買い手が主体的に行うべき』と言われても、何をどうやったらいいのか。何が大事なのか。慣れない事業会社の悩み・戸惑いは深いのではないか。
そこで本座談会では、M&Aコンサルタントの岡俊子氏、日本板硝子執行役員の加藤雅也氏、ベーシック・キャピタル・マネジメント マネージング・ディレクターの金田欧奈氏にお集まりいただき、『M&Aの成否を分けるビジネス・デューデリジェンスの実務』と題して、ビジネスDDの現場の現状と課題について議論していただいた。

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