[ブランド起点のM&A]

2024年3月号 353号

(2024/02/09)

第2回:効果的なブランド買収の要諦

佐伯 尚子(KPMG FAS シニアマネージャー)
  • A,B,C,EXコース
 第1回目は、M&Aが企業にとっての成長戦略の1つとなった今日では、ビジネスデューデリジェンス(BDD)における売上向上や収益改善の評価にはブランド起点の評価が重要であることを述べた。具体的には、対象企業のブランドエクイティとそれを支えるブランドマネジメント力を評価し、それらを総合してブランド力が買収後にどのように事業価値向上に結び付く余地があるかを評価することがBDDの精度向上のために大いに貢献しうるという点である。

 それでは、ブランド起点のM&Aを成功させるための要諦とはなにか?3つの視点から見ていこうと思う。
  1. M&Aが企業にとっての成長戦略の1つである以上、当然であるが、まずは対象とする企業/事業ブランドが自社の企業理念と中長期戦略の実現に必要であることの見極めが大切である。そのためには、企業理念と中長期戦略に基づく、明確なM&A戦略の策定が重要だと言える。
  2. 買収したブランドをせっかく自社ポートフォリオに付加しても、


■筆者プロフィール■

佐伯 尚子(さえき・なおこ)佐伯 尚子(さえき・なおこ)
KPMG FAS シニアマネージャー
自動車会社のグローバルマーケティングを経て、大手広告代理店にてストラテジックプランナーとして国内外グローバル企業の事業戦略、ブランド戦略、マーケティング戦略の策定や商品開発に参画後、国内最大手化粧品会社の経営戦略にて新規事業開発を経験し、KPMG FASに入社。

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