[M&A戦略と会計・税務・財務]

2025年2月号 364号

(2025/01/15)

第209回 公開買付けにおける特別委員会の実務上のポイント

黒沢 潤(PwCアドバイザリー合同会社 シニアマネージャー)
  • A,B,C,EXコース
はじめに

 筆者が前回の「公開買付けにおける実務上の留意点(注1)」において取り上げて以降も、大型のマネジメント・バイアウト(以下、「MBO」)、対抗買付け、キャッシュ・アウト(注2)を伴う非公開化における公開買付け価格を巡る司法判断、企業買収に関するルール整備の進展など、公開買付けを取り巻く環境は急速に変化している。以下が企業買収、とりわけ上場企業のM&A取引に関連する近年の制度の整備状況である。

公表年所管名称
2019年経済産業省公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-
2023年経済産業省企業買収における行動指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-
2024年金融庁金融商品取引法改正(公開買付制度及び大量保有報告制度の見直し)
2024年金融庁公開買付けの開示に関する留意事項について(公開買付開示ガイドライン)
 そのような中、MBOや支配株主による完全子会社化、同意なき買収などの構造的な利益相反の問題が存在する取引においては、



■筆者プロフィール■

黒沢 潤(くろさわ・じゅん)黒沢 潤(くろさわ・じゅん)
シニアマネージャー、 PwCアドバイザリー合同会社
専門分野・担当業界 M&Aアドバイザリー
大手金融機関勤務を経て2014年にプライスウォーターハウスクーパース株式会社(現:PwCアドバイザリー合同会社)に入社。入社後は、主に資本政策に係るアドバイザリー、バイサイド並びにセルサイドにおけるフィナンシャル・アドバイザリーなどのM&Aアドバイザリー業務に従事。国内外を問わず幅広い案件にプロジェクトマネージャーとして関与した経験を有する。公開買付け案件についても、国内のみならず海外、また、買付者・対象会社・筆頭株主に対してそれぞれアドバイザリー業務を提供してきている。

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