[マールインタビュー]

2012年11月号 217号

(2012/10/15)

No.150 ネット社会を活用した共感ファンドで新たな資金調達手段を開拓する

 小松 真実(ミュージックセキュリティーズ 社長)
  • A,B,EXコース

セキュリテ被災地応援ファンド

-- 東日本大震災の後、皆様のファンドが社会的に注目を浴びています。

  「当社は元々、小口資金を集めて、音楽のCD制作や純米酒醸造といった事業に投資するファンドを手がけてきました。そこに大震災が起こり、当社もファンドを通じて、被災地の地場産業の復興に貢献できないかと考えたのです。しかし、経営者の皆さんはファンドに馴染みがない。当初は警戒感もありました。それで、私も経営者の方々に直接お会いして、当社が提供しているファンドは会社を買収して切り売りするようなファンドではありません、全国から応援のお金を集めて、事業資金を提供するファンドです、と説明しました。当社のことを理解している地元自治体関係者の橋渡しもあり、2011年4月から5月にかけ、第1段として三陸地方にあるフカヒレ製造会社、海鮮食品加工会社、醤油・味噌醸造会社など6社を応援するファンドの募集を当社のウエブサイトで始めたのです。各社とも工場や店舗が地震で全壊したり、津波で流されたりしていて、新工場の建設や設備投資の資金を必要としていました。不足分をファンドで集めようと、少ないところで700万円、多いところで1億円を募ったのです。再建の熱意に共感した全国の人たちから、あっという間に資金が集まりました。それで、素早く事業を再開された方もいらした。それを見て、じゃあ、自分もやってみようという経営者がどんどん増えていったのです。2012年8月末までに36社、37本のファンドができています」

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