M&A専門誌マール 2025年1月号 363号(2024/12/16発売)

特集: 永谷園ホールディングスのMBOの経緯と成長戦略を語る

永谷園ホールディングス(HD)がMBOを目指して丸の内キャピタルと実施したTOBが2024年7月に成立、9月27日東証プライム市場を上場廃止となった。丸の内キャピタルは2008年に三菱商事が設立した投資ファンド運用会社。
永谷園HDの起源は、江戸時代に京都・宇治で茶業の他、湿田改良などの事業を行った篤農家・永谷宗七郎(のち永谷宗円)にさかのぼる。その後、10代目にあたる永谷嘉男が1952年に「お茶づけ海苔」を考案、製造販売を開始し、1953年に「株式会社永谷園本舗」を設立した。業界で初めてフリーズドライ方式の即席味噌汁(あさげ、ゆうげ)を開発したほか、ふりかけ類、スープ類に事業を拡大。さらに、2013年にはシュークリーム専門店「ビアードパパ」を展開する「麦の穂ホールディングス」(現・DAY TO LIFE)を買収するなどして業容拡大を図っていった。2024年3月期の連結決算は、売上高1138億円(前年度比3.1%増)、営業利益60億円(同13.2%増)となっている。
増収増益の老舗企業がなぜMBOに踏み切ったのか。丸の内キャピタルで本件を担当している武藤貴史・マネージングディレクターと濱田真彰・ディレクターに、MBOの経緯と今後の成長戦略について聞いた。

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