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第155回 人材サービス業界~大手3社だけではなく有力企業も積極的にM&Aを活用

マーケット動向

 澤田 英之(レコフ 企画管理部 リサーチ担当)

1.人材サービス業界では事業環境の変化を背景にM&Aが活発化

  人材サービス業界の事業環境や同業界で売上高トップ3のリクル-トホールディングス、パーソルホールディングス、パソナグループのM&A戦略については、「M&Aでみる日本の産業新地図2017年8月号 人材サービス業界~労働者派遣法の「大改正」で競争激化」 (マール編集部 著)に詳述されている。

  同レポートを基に改めて事業環境について触れると、有効求人倍率の上昇から窺えるように人手不足感が高まる中、人材サービスに対する需要は拡大傾向にある。しかし一方で、リーマンショック後に発生した製造業を中心とする派遣切りなどが問題となり、日雇い派遣が原則として禁止された。また、専ら派遣と呼ばれるグループ会社向け派遣の割合は原則80%以下にするよう義務付けられた。そして、派遣事業が届け出制から許可制へ一本化され、新たに「派遣労働者のキャリア形成支援制度を有する」などの許可基準が設けられた。このような規制強化を背景に人材サービス業界では企業間競争が激化しているという。

  さらに2018年、有期労働契約が通算で5年を超える労働者は、無期雇用への転換申し入れが可能になる。また、派遣労働者を同じ職場に3年を超えて継続派遣することができなくなる。人手不足が継続する中、これに向けて派遣先では無期雇用への転換などによる人材確保を検討する企業がみられる一方で、派遣元となる人材サービス会社では無期雇用した社員の派遣を検討する企業も出始めている。ただ、派遣元にとって社員の無期雇用はコストアップ要因となるが、派遣先への価格転嫁は容易ではないとの声もある。このような制度改正に伴う一連の動きは「2018年問題」とも言われている。

  従前から人材サービス業界ではM&Aが比較的活発であり、レコフM&Aデータベース((株)レコフデータ提供)によると、同業界の日本企業に係わるM&A件数は

TOBと株式交換における買収プレミアムの違いを考える

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珈琲館のファンドへの売却にみるコーヒー市場の変化

速報・トピックス

[藤原裕之の金融・経済レポート]

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 藤原 裕之((一社)日本リサーチ総合研究所 主任研究員)

ベインキャピタルの担当者が明かす「アサツーディ・ケイTOBの経緯と今後」

企業研究

攻勢に転じる重厚長大企業、新日鉄住金

速報・トピックス

[M&Aスクランブル]

NEW 攻勢に転じる重厚長大企業、新日鉄住金

 マール企業価値研究グループ

ブラックロックからの書簡をM&Aの視点から考える

速報・トピックス

特集:
宮島座長が語る経産省「海外M&A研究会」報告書のポイント

竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング パートナー)

 買い手が経営者に対するコントロール(ガバナンス)を確立するために欠かすことができないのが、経営層(特に経営トップ)を必要時に適切な形で交代できるように、手順を踏んで準備を整えることである。このような準備を整えるには時間がかかるので、早く検討に着手しなければならない。その着手のタイミングは、クロージング直後である。
 この検討・準備の成果は、経営者の後継プラン(サクセションプラン)に落とし込まれる。グローバルの主要企業では、平時からリスク管理の一環としてなんらかのサクセションプランを整備・運用しているので、これに倣う。
 M&Aでは株主が交代するので、人材に対する見方やサクセションプランの前提、あるいはサクセションプランに求める品質が変わる可能性がある。そのため買収後は、買い手の観点でサクセションプランを整備・運用し、経営者コントロールを早期に確立することになる。


経営者の交代はいつ、どのように行うのか

 クロージング後、買い手は、買収先の経営者の1) 任免、2) 評価、3) 報酬決定のいわゆる「人事三権」を掌握し、これにより本人を直接的にコントロールする。この人事三権に、仕組みや建て付け(ハードウェア)によるコントロール、すなわち1) 権限・ルール、2) 会議体、3) 可視化の整備を加えて、買収先に対するコントロールが機能するようになる。
 人事三権の中でも最も強力に機能するのが、本人の任免、つまり登用と解任である。もちろん、コントロールの手段として最初から任免(特に解任)を持ち出したのでは、いたずらに緊張感を高めるだけなので、通常はコミュニケーション、経営目標の設定と評価、そして報酬の決定によってコントロールしようとするのであり、これでこと足りるのが理想である。しかし、最終的に思ったように任免ができるのでなければ、いずれ目標設定や報酬によるコントロールも効かなくなるところがポイントである。
もちろん、一般に経営者の任免、特に解任は大事(おおごと)であるから、主要経営者の全体と個別の状況をきちんと掌握し、計画的に実行するのが望ましい。このため平時においては、企業は経営者の任免・評価・報酬決定を行う機関とその年間の活動スケジュールを定め、それに従って計画的に情報収集、検討、意思決定を行う。そして、本人へのコミュニケーションを経て、任免・評価・報酬決定の全体を、できるだけ円滑に実施するのである。このための機関の典型が、いわゆる指名委員会と報酬委員会である。国や企業の状況によって、このような機関の設置が法令で求められる場合も多い。また、法令の定めがなくても、その機能や建て付けに着目し、企業が任意で設置・運営している場合も多い。
 任免にかかる検討の行きつく先は、「経営者のノミネーション」という会社の公式イベントである。経営者のノミネーション(Nomination)とは、1) 再任、2) 退任、3) 新任を合わせた全体である。また一口に退任といっても、その内実は、a) 自己都合退職、b) 本人に責任がない解雇(Termination without Cause)、c) 本人に責任がある解雇(Termination with Cause)、d) 引退(リタイア)、e) 買い手グループ内の上位ポジションへの異動(栄転)など、さまざまである。会社の考えと本人の事情をよく照らして、ひとつひとつどう捌くのか、適切に決定していく必要がある。
 経営者の任免、評価、報酬が、年間のプロセスとスケジュールに従って整然と検討されるようにあらかじめ定めておくことの大きなメリットは、検討の方法や、検討するというアクション自体に、バラつきや恣意性が持ち込まれにくくなることである。逆に言えば、定期的に一定の手法で検討する、と決まっていない場合には、「どのような時に、どのように検討するのか、今回はそれにあたるのか」というところから、毎年行動を起こさねばならない。このような建て付けにしていたのでは、アクセルよりもブレーキの方が踏まれやすく、時間がなくなって「やむを得ず、今年は検討しない」が繰り返されかねない。
 一方で、このような整備された全体サイクルの外で、緊急に個別対応しなければならないケースももちろん発生する。例えば、本人が急に自分で辞める場合や、事情が生じて本人に急に辞めてもらう場合がそうである。また、それぞれタイムリーに後任が準備できることも、平素からの全体の準備活動のレベルに拘らず、今回のこの件については準備できないこともある。後任の準備は間に合わないが、それでも退任は避けられないなら、後任が準備できるまでの期間、やむを得ずそのポジションを空席としたり、誰かが兼任したり、Deputy(副)を立てたりして凌ぐしかないだろう。
 それではM&A後に何が大きな問題かというと、急な退任が決まって後任が間に合わないことよりも、サクセションプランの策定・運用によって買収先の経営者をコントロールする取り組みがなかなか始まらない、あるいはその取り組みがいつになっても本格化しない方が問題であろう。


経営者のサクセションプランとはどのようなものか

 経営者のサクセションプランを策定し、運用する目的は・・・
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※レコフM&Aデータベースを活用した記事は下記をご覧ください
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編集長インタビュー

NEW 宮島座長が語る経産省「海外M&A研究会」報告書のポイント 

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ポストM&A戦略

NEW 第113回 経営者アセスメントの実施とサクセションプランの整備

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 藤森 義明(LIXILグループ 相談役)
 龍野 滋幹(アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士)
 藤井 礼二(L.E.K. コンサルティング 日本代表)(司会)

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 松江 英夫(デロイト トーマツ コンサルティング パートナー)

2018年1-3月のM&A件数と金額

2018.3.31現在 集計
 IN-ININ-OUTOUT-IN合計
件数 (件)64416556865
増加率37.3%10.0%60.0%32.3%
金額 (億円)8,25129,0621,97339,287
増加率0.9%70.8%-54.6%33.0%
  • ※2017年1-12月の日本企業のM&A動向は、こちら
  • ※増加率は前年同日比 [M&Aとは]






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