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小泉 秀親(経済産業省 経済産業政策局 投資促進課長)


1.  海外M&A研究会開催の経緯と成果

--  平成29年度に『我が国企業による海外M&A研究会』を開催され、その成果として2018年3月に日本企業が今後、海外M&Aを有効に活用していくうえで留意すべきポイントと参考事例をまとめた報告書とともに、特に、経営者目線で重要なポイントをまとめた『海外M&Aを経営に活用する9つの行動』を取りまとめられました。また、平成30年度の取り組みの1つとして、『9つの行動』別冊編を出されました。まずは、29年度の取り組みの経緯等から教えてください。

海外M&Aは企業が成長戦略を実現していくうえで重要

「私ども経済産業省では、海外M&Aの重要性の高まり、特に大型案件が増えているだけではなく、これまで国内を中心に活躍してこられた企業、あるいはグリーンフィールドで海外に出ていた企業、規模でいえば中堅企業と呼ばれる企業も含めて、積極的に海外M&Aに取り組む企業が増えつつあるという状況を踏まえて、海外M&Aは企業が成長戦略を実現していくうえで重要だという認識を持っていました。他方で、多くの企業が海外M&Aに取り組まれている中で、みんながみんな成功しているかというとなかなかそういう状況でもない。この研究会の一環で行われたアンケートでは、自己評価で期待したとおりの成果を挙げられているのは3割ぐらいという結果がでています。では、海外M&Aを成長に有効活用するポイントは何なのか、あるいは、落とし穴、注意すべき点はどんなところにあるのか、そういったものを海外M&Aに積極的に取り組んでいる企業からの話を踏まえて整理したらお役に立つのではないか、というような問題意識を持っていました。そこで、2017年8月に早稲田大学の宮島英昭先生を座長として研究会を設けて、研究会の場だけではなく、われわれ事務局が出かけて行って、20社ぐらいからのヒアリングを実施いたしました。そこで得られた内容をもとに事例を盛り込んだ報告書を作るとともに、研究会で議論していく中で、やはり経営者のコミットメントというのは非常に大事であり、海外M&Aをやると決めたからあとは現場がしっかりやってくれということではなくて、経営者自身が率先して被買収企業とのコミュニケーションを取るところも含めて、関与していくことが重要だと考えました。そこで、経営者に訴えかける、より簡潔なものを作ったらいいのではないかということで、『9つの行動』を併せて取りまとめました」

--  企業へのヒアリングをもとに事例集としてまとめた報告書は他にあまり見かけません。

生声が役に立つ

「海外M&Aについて役所がこうするべきとか、ああするべきとかなかなか言いにくいところがあります。むしろ、ボトムアップでみなさんがどういうところに苦労をして、あるいはどういう工夫をして成功につなげていったのか、そういった『生声』が役に立つのではないかという思いがありました。実際に、われわれ自身やや手探りみたいな感じで企業の門をたたいてお話を聞かせていただく中で、そういう思いを強くしました。印象的だったのは、企業の方々から、研究会事務局がヒアリングに来るということで、改めて自社の中でどういう取り組みをしてきたのかを整理するいい機会になった、振り返るいい機会になったというお声をいただきまして、そういうところも含めてこういうアプローチは有効なのではないかと思いを強くしました。お話しをお伺いした企業の中には、例えば減損を出してマスコミにネガティブな意味で取り上げられたりしている企業さんもあり、最初はなかなか口が重いところもありましたが、実際に話を聞いて、われわれの問題意識を伝え、先方の企業の取り組みをお互いに話していく中で、思っていた以上に率直にお話をいただけたという印象を持っています」

--  『9つの行動』について改めて教えてください。

海外M&A 成功に向けた3つ要素と経営トップのコミットを具体化

「海外M&Aは社運を賭けた取り組みであって、それを有効活用するためには経営者のリテラシーやコミットメントは非常に大事になってきます。われわれがお話を聞いた企業の中には、経営者自らが非常に多くのリソースを割いて、あるいは率先して現場に行くというような企業がある一方、必ずしもそういった覚悟ができていないままM&Aに取り組まれているような企業もなかったわけではありません。そういう現場の話を聞きながら、やはり経営者の皆さまの意識喚起をする、これが大事なのではないかと考えました。報告書の中で、『海外M&A 成功に向けた3つ要素』として、『M&A戦略ストーリーの構想力』、『海外M&Aの実行力』、『グローバル経営力』というかたちでまとめましたが、その中心の部分に『経営トップのコミット』というのを強調させていただいています。それを具体化したのが『9つの行動』です」




2.  平成30年度の取り組みについて

--  平成30年度は成果物をさらに深掘りした取り組みをされました。

PMIの現場で何が起こっているのか

「平成30年度の取り組みのポイントは3つあります。1つは…


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 岩倉 正和(西村あさひ法律事務所 弁護士、一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授)
 石綿 学(森・濱田松本法律事務所 弁護士)
 司会・編集 川端 久雄(編集委員、日本記者クラブ会員)

ヒューリック<3003>、日本ビューホテル<6097>を株式交換により買収

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横瀧 崇(アクセンチュア 戦略コンサルティング本部M&A統括 マネジング・ディレクター)

2019年1-5月のM&A件数と金額

2019.5.31現在 集計
 IN-ININ-OUTOUT-IN合計
件数 (件)1,298
365
108
1,771
増加率15.7%27.6%5.9%17.3%
金額 (億円)15,58438,341
9,307
63,233
増加率6.3%-66.1%-86.2%
-67.7%
  • ※2018年1-12月の日本企業のM&A動向は、こちら
  • ※増加率は前年同期比 [M&Aとは]
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