6000億円を超える巨額買収、ピルキントンの社長をCEOに据えた出原洋三・取締役会議長の決断 小が大を飲んだ買収劇 〇六年一月初め、一人の男が日本板硝子本社を訪れた。英国ピルキントンのスチュアート・チェンバース社長である。ハードネゴシエーターとして知られた同社のナイジェル・ラッド会長はなぜか同行していなかった。星「全権を任されて来ました。買収価格は一株あたり一六五ペンス(約三四〇円)。それ以下では売りません。もし、これが受け入れられなければ、このまま英国に帰ります」