[M&Aスクランブル]

(2013/10/09)

7-9月期のクロスボーダーM&A活況と、東京エレク、米アプライドの経営統合にみる新展開の予感

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 日本企業のM&A市場は1-9月期1457件、6兆4803億円と、件数で前年同期比10.5%の増加、金額では同17.0%の減少となった。年前半(1-6月期)は件数で3.0%の微増、金額で47.7%の大幅減の状況であったが、後半に入ってからの追い上げで件数の増加幅が拡大するとともに、金額の減少幅が大幅に縮小した。特に、7-9月期のクロスボーダー(IN-OUT、OUT-IN)の活況ぶりは目を見張るものがあった。

 7-9月期の総件数は506件、金額合計は3兆5957億円。うち、クロスボーダー件数は166件と、前年同期の131件から35件、26.7%増加し、今年の四半期ベースで初めてプラスに転じた。他方、クロスボーダー金額も3兆2997億円と、前年同期の1兆7217億円から91.7%の大幅増加となり、金額全体の9割超を占めるに至っている。7-9月期だけで1000億円以上のディールが8件と大型案件が相次いだ。円高修正局面などで年前半は企業側に様子見ムードが広がっていたものの、業績は概ね好調なうえ、衆参のねじれ解消による政権の安定化なども企業の成長投資を後押ししているものと見られる。

 7-9月期のクロスボーダー案件で特に目立ったのは東京エレクトロンと米アプライドマテリアルズの持株会社設立による経営統合だろう。持株会社株式の保有割合がアプライド約68%、東京エレク約32%となるため、OUT-INに分類されている。金額は9202億円で2013年の最大案件となった。OUT-IN案件がトップに立つのは 米シティグループによる日興コーディアルグループのTOBによる買収以来、実に6年ぶりとなる。

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