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(2013/12/18)

ベトナム:日越大学設立構想の実現化

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 日越両国首脳は去る12月15日の共同声明において「日越大学設立」構想の実現化を両国が協力し推進していくことを謳った。

 来春にはJICAによる日越大学設立のフィージビリティスタディが開始され、予定では3年後に先ずは大学院修士課程(博士課程前期)として開学することを目指す。将来的には人文社会科学系および自然科学系の総合大学の学部、修士・博士課程を含めた学生総数6千人規模の日本の一流大学と比肩し得る国際水準の大学とする構想である。

 すでに日本側では東大・京大等の有力大学を中心とする日越大学設立タスクフォースを設置しており、ベトナム側はベトナム国家大学ハノイ(VNU)がカウンターパートとして越首相から正式に指名されている。両タスクフォースは密度の濃い協議を続けており、日越大学をVNUの傘下大学とすることでほぼ合意している。VNUそのものは大学ではなく、その傘下に6大学を含む44の教育研究機関を置く一種の行政機関であって、学長は首相により任命される。つまりVNU学長のリポートラインは首相となる。

 日越大学設立の狙いは、「教育を国策の第一とする」ベトナム政府の基本計画と「国際水準の大学を設置する」という具体的要請に対し日越を取り巻く地経学的環境の諸般の事情から日本は政策的・積極的にベトナムの高度人材育成に協力しようとするものである。現実的な日本側の目的としてはベトナムに進出している日本企業の高度人材ニーズにも応えようとするものである。

 ベトナムへの日本企業の進出には目覚ましいものがあり、対越直接投資の件数および金額は日本が突出して多く、ベトナムの経済成長に日本の直接投資が大きく貢献している。

 この場面で人材の需給両面でのニーズが生じている。
 



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