フォートレス・インベストメント・グループによるそごう・西武の買収。地元住民、地元自治体、そごう・西武の従業員といったステークホルダーとの丁寧なコミュニケーションは十分だったのだろうか。想定以上だった反発と不信感 8月31日、東京・池袋の西武池袋本店においてストライキが実施された。日本では、過去鉄道会社やバス会社を中心にストライキが行われていた時代があるが、近年ではBtoCの大企業で行われることは極めて稀であることから、ストライキは、そごう・西武のステークホルダー以外の人々の関心も引き付け、大きな話題となった。 今回のストライキ決行は、セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイHD)における事業再編の結果として、競争入札の結果、傘下の百貨店であるそごう・西武をアメリカの投資ファンドであるフォートレス・インベストメント・グループ(以下、フォートレス)へ売却することとなったことが発端である。 フォートレスは、ディストレスト投資を得意とするプライベート・エクイティ(PE)ファンドである。ディストレスト投資とは、…