第一生命ホールディングスは2023年12月7日、パソナグループの子会社であるベネフィット・ワンに対する
TOBを実施し
完全子会社化する計画を発表、24年2月9日にTOBが開始された。このTOBは3月11日に成立、ベネフィット・ワンは5月にも第一生命HDの完全子会社となる見通しだ。ベネフィット・ワンは企業向けの福利厚生サービス、健康支援、教育・研修支援を展開しており、総合福利厚生サービス企業である。23年4月時点の会員数は948万人で福利厚生アウトソーシングサービスではトップクラスのシェアを誇る。
こうした大手生保による異業種企業の買収の動きは、最近では23年11月の日本生命保険によるニチイホールディングスの買収が記憶に新しい。日本国内で少子高齢化が加速しており、生命保険会社にとって最大の収入源である保険料等収入の先行きの見通しはかなり厳しくなっている。生命保険協会資料によると、17年度以降の収入保険料は伸び悩んでおり、新たな収入源の確保は業界全体にとっても重要な課題となっている。実際、第一生命HDは中期経営計画で、国内事業戦略として「保険業から保険サービス業への進化」、「デジタルを活用した新規エコシステムの構築」、「非保険領域における事業スケールの獲得」を掲げている。