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[【コーポレートガバナンス】よくわかるコーポレートガバナンス改革~日本企業の中長期的な成長に向けて~(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)]

(2019/11/14)

【第7回】 内部監査部門における人材育成

関 彩乃(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 シニアコンサルタント)

 前回の連載では、グループで一元化されたリスクマネジメント体制を構築していく上での内部監査部門の役割について触れました。第6回では、内部監査部門の組織体制に焦点を当て、グローバルカンパニーにおいて、内部監査部門の”独立性“が組織上どのように担保され、そしてその”独立性“がグループ全体の経営の透明性の確保にどのように繋がっているのか、見ていきたいと思います。

内部監査部門は経営者の“手足”ではなく、リスクマネジメントにおけるゲートキーパー

 内部監査部門が、経営者をけん制する仕組みとして機能し、経営の透明性を確保する役割を果たすには、経営者など執行サイドからの独立性が担保されていることが非常に重要です。しかし、多くの日本企業において、内部監査部門のレポートラインは社長等の経営陣にあり、経営者の“手足”となり、企業の内部統制環境の監査を行っているのが実態です。実際に、内部監査部門を監査委員会や監査役等の指揮系統に置くことには反対意見も多く、例えば、“社長の手足である内部監査部門機能を社長から切り離すわけにはいかない”、“最高権力者である社長の指揮系統にあるからこそ、形骸化せず実効的な内部監査を実現することができる”、といった懸念の声を聞きます。

 一方で、グローバルカンパニーの内部監査部門は、独立取締役で構成される監査委員会にレポートラインを持つことが一般的です。しかし、実は、米国においても20年ほど前までは、内部監査部門は“Eyes and ears of the Management”と呼ばれ、現在の日本と同様に、内部監査部門のレポートラインは経営陣にありました。ところが、2000年代前半に相次いだ企業不祥事をきっかけに、内部監査部門が経営者に直接的なレポートラインを持つことに対し、投資家からの批判が相次ぎました。さらには同時期に、IIA(Institute of Internal Auditors)が公表した内部監査部門の定義・役割においてもその”客観性“と”独立性“に焦点が当てられたことから、独立した立場から、経営者をけん制する仕組みとしての内部監査部門の必要性が高まりました。このような経緯を経て、米国企業の内部監査部門は、監査委員会にレポートラインを持つことがスタンダードとなっています。具体的には、監査委員会に加え、CEOやCFOなどの経営陣へもレポートラインを持ち、ダブルレポーティングラインを持つ体制が一般的です。しかし、ダブルレポートラインとはいっても、その目的は異なります。監査委員会へのレポートラインは、”Functional Reporting Line(機能的レポートライン)” と呼ばれ…

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

■筆者略歴

関 彩乃(せき・あやの)
コンサルティング会社を経て、現職。グローバル企業によるクロスボーダーM&Aに関わるPMI、日本企業による海外企業買収に関わるPMIなどを主に経験。その他、グローバル企業によるERP導入、子会社における会計方針統一、内部統制評価などを経験。

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