次号予告
2018年9月号
特集:「M&Aで大胆な事業ポートフォリオの入れ替えを実践する日清紡ホールディングス」
2018年8月15日発売予定
※内容は変更されることがあります。タイトルは仮題です。
編集後記
■「会社の状態はトイレに行ったらわかる」――日本電産の創業者で代表取締役会長(CEO)の永守重信氏に会社の経営状態の見分け方をうかがった時の言葉です。
日本電産が大手電機メーカーの子会社を買収した時のこと。トイレに入ったら臭いし、汚かった。それを全部直させるため、毎月「3Q6S」の点数を付けて、食堂に貼り出したという。「3Q」というのは、「Quality Worker(良い社員)」、「Quality Company(良い会社)」 、「Quality Products(良い製品)」。「6S」というのは整理・整頓・清潔・清掃・作法・躾の6つの「S」で、3Q6Sの点数と同時に月次決算も貼り出すが、3Q6Sの点数と月次決算の数字がピタッと一致しているのだそうです。
「それはなぜか、簡単な話です。業績の悪い会社は社員のモラルが下がっているからです。『6Sが全部ダメで儲かっている会社がどこかにあったら、教えてください、1億円あげるから』とずっと言ってきましたが、1回も払ったことがありません(笑)。この点数が60点を超えればその事業はかならず黒字になります」と永守さん。「頭」の知能指数であるIQよりも「心」の知能指数であるEQが高い会社が勝つというのが、永守さんの持論です。
1973年、たった4人で立ち上げた精密小型モータのメーカーである日本電産は、2030年に「10兆円企業」を目指すまでに成長してきました。M&Aにも積極的ですが、M&A先の社員の意識を自ら率先して改革することで成功してきた永守さんの経営哲学には創業者ならではの視点があります。(耕)
■旅行に行った際、ホテルの部屋に「handy」という携帯電話が備え付けてありました。ホテルの説明によると、滞在中であればhandyで国内・国際電話を無料でかけられる、無料・無制限でインターネットにアクセスできる、旅行情報等を閲覧できるとのこと。通信コストをかけずに快適な旅行が楽しめるというわけです。ホテルにとっては外国人旅行客の顧客満足度向上などのメリットもあるため、導入数も順調に伸びているようです。その後、気になって調べてみたところ、同サービス運営会社にはシャープが2017年に出資していました。最近大手企業によるベンチャー投資が活発ですが、旅先でもその一例と出会えたわけです。ちなみに先日ソフトバンクもhandyへの出資を発表していました。サービス展開拡充への期待が高まります。(郁)