1954年創業、日本初の広告専門誌を発行
ポラリス・キャピタル・グループ(以下、「ポラリス」)が運営するポラリス第五号投資事業有限責任組合等が、宣伝会議及び関連会社マスメディアンを2023年3月に買収した。
宣伝会議は1954年に山之内製薬(現アステラス製薬)の宣伝課長だった久保田孝氏によって設立。日本初の広告専門誌として月刊「宣伝会議」が創刊された。
しかし、同社は1990年代に入って経営不振に陥り、1993年3月東英弥(あずま・ひでや)氏が宣伝会議の出版事業を引き継いで代表取締役に就任した。
東氏は1978年に広告会社「伝創社」(当初の社名は伝創舎)を創業。1986年に商社・富士テック(現フジテックス)を設立したほか、東京パブリシティー、日本ビジネス出版、分子生理化学研究所など10社を超える事業を起業したシリアルアントレプレナー。さらに、2012年には事業構想大学院大学(学校法人先端教育機構)、2017年には、社会情報大学院大学(現:社会構想大学院大学)を設立するなど教育分野にも力を入れている。
宣伝会議は東氏の下で、1994年に「コピーライター養成講座」を開講。2001年には広告業界専門人材サービス「マスメディアン」事業を開始、2010年には広告業界ニュースサイト「AdverTimes.(アドタイ)」も開設した。また、2013年からは月刊「宣伝会議」、月刊「販促会議」、月刊「ブレーン」のデジタル版もスタートさせている。
宣伝会議及びマスメディアンがどのような経緯でポラリス・キャピタル・グループに譲渡されたのか、今後の成長戦略を含めて木村雄治ポラリス・キャピタル・グループ代表取締役社長に聞いた。
<インタビュー>
デジタル化の推進で“出版の殻を破る”改革を推進
木村 雄治(ポラリス・キャピタル・グループ 代表取締役社長)
東会長から託された事業承継
―― ポラリス・キャピタル・グループ(以下、「ポラリス」)が運営するポラリス第五号投資事業有限責任組合等は、宣伝会議及びマスメディアンを3月に買収しました。ポラリスが両社の買収を決めた経緯についてお聞かせください。