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2018年11月号 289号

(2018/10/15)

公開を維持するコスト

蜂谷 豊彦(一橋大学大学院経営管理研究科 教授)
 8月の酷暑の頃、かまびすしいセミの鳴き声に混じって聞こえてきたふたつの「つぶやき」に、私は耳をそばだてた。ひとつはテスラ社CEOのイーロン・マスク氏による「テスラ株の非公開化を考えている」というつぶやき、もうひとつはアメリカ大統領であるドナルド・トランプ氏による「四半期開示を半期に変更すれば、柔軟性が増し節約にもなる。証券取引委員会に研究を指示した」というつぶやきである。これらの「つぶやき」がささやかれた背景には、それぞれ個別の事情もあるが、少なくともひとつの共通点がある。それは、現在の制度の下で企業が公開を維持していくことには相当なコストがかかっており、場合によってはそのコストがベネフィットを上回っているかもしれないことを示唆しているという点である。これらをつぶやいた二人は、以前から情報開示の手法や内容などに関して問題視されており、つぶやいた内容がどれほど熟慮されたものなのか、何か別の意図があるのかはわからないが、つい本音が出たとみることもできるだろう。ここでは、「つぶやき」の真偽ではなく、それらの共通点に焦点を当て、公開か非公開かの選択に見られるトレードオフを考えることにより、読者のみなさんが公開を維持するコストについて再検討する糸口を提示する。この糸口を考えるにあたっては、非公開のベンチャー企業が株式を公開する場面、すなわちIPOに焦点を当て、IPO企業が公開によってどのようなベネフィットを獲得し、どのようなコストを追加的に負担するようになるかを考えるのがわかりやすいだろう。非公開化では、その逆のことが起こることになる。以下では、6つの視点からその糸口を提示する。


1.資金調達

 公開することの最大のベネフィットとして取り上げられるのが、

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