[藤原裕之の金融・経済レポート]

(2014/05/14)

消費税率引き上げによる価格転嫁の状況

 藤原 裕之((一社)日本リサーチ総合研究所 主任研究員)
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消費税率引き上げ分はほぼフル転嫁

 消費税率引き上げ後、初の物価統計として注目されていた4月の東京都区部・消費者物価指数は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数(以下、コアCPI)で前年比2.7%の上昇となった(図表1)。前月の3月の数値は前年比1.0%の上昇であったため、4月は1.7%拡大したことになる。

図表1 生鮮食品除く総合指数の推移(前年比)


 消費税率引き上げの価格転嫁の状況をみるには、消費者物価指数の中の「課税品目」、「非課税品目」、「経過措置品目」を区別する必要がある。家賃、診療代、授業料、教科書、介護料などの非課税品目は消費者物価指数の3割強を占め、電気代、都市ガス代、水道料、電話通信料など新税率の適用が5月以降となる経過措置品目は1割弱、4月に消費税率引き上げの影響を受ける課税品目は全体の6割弱となる。4月のコアCPI上昇率2.7%のうち、課税品目の寄与度は2.1%、非課税品目は0.1%、経過措置品目は0.5%であり、コアCPIの上昇率の殆どが課税品目の上昇で説明できる。


 ■藤原 裕之(ふじわら ひろゆき)
略歴:
弘前大学人文学部経済学科卒。国際投信委託株式会社(現国際投信投資顧問)、ベリング・ポイント株式会社、PwCアドバイザリー株式会社を経て、2008年10月より一般社団法人 日本リサーチ総合研究所 主任研究員。専門は、リスクマネジメント、企業金融、消費分析、等。日本リアルオプション学会所属。

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