[Webインタビュー]

(2014/03/19)

【第35回】「海外拠点の運営に係るリスク」が1位に――企業のリスクマネジメント調査(2013年版)について

 森谷 博之(トーマツ企業リスク研究所 主任研究員)
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12回目を迎えたリスクマネジメント調査

―― 先ごろ発表された企業のリスクマネジメント調査についてうかがいたいのですが、まずこの調査はどのように実施されたのですか。

「この調査は、有限責任監査法人トーマツのリスクマネジメント等の調査・研究を行うトーマツ企業リスク研究所が2013年5月~10月までに開催したセミナーの出席者に対して実施したアンケート調査結果に基づくもので、今回の有効回答数は223社でした。この調査は02年から始めていまして、今回で12回目になります。ちなみに11年の有効回答数は226社、12年のそれは144社となっています」

―― 日本企業のリスクマネジメント体制構築は進んでいるのでしょうか。

「当調査において、潜在的リスクを識別・評価する『リスク評価を実施している』と回答した企業(以下、リスク評価実施企業)の割合は2年ぶりに上昇しまして、11年は85.0%、12年には82.6%に減りましたが、13年は87.0%へと回復傾向を見せています(図表1)。調査の概要を申しますと、リスクマネジメント体制の整備について『現状維持である』と答えた企業が79%と大多数となっていますが、『拡大した』と答えた企業が前回より6%増加して18%となっていることから、企業のリスクマネジメント体制拡充が進んだ年であったと言えると思います(図表2)。一方で、自社のリスクマネジメント体制を『適切に構築されているとは言えない』と評価している企業が44%に上り、前回より10%増加しました(図表3)。これは、リスクマネジメントの重要性に対する理解の浸透に呼応してリスクマネジメントに求める水準が高くなったことや企業のグローバル活動が拡大していること等を受けて、自社の状況をまだ不十分とする認識が芽生えていることや、日本企業の海外進出が加速することに伴う海外リスクマネジメントの必要性が高まりつつあるためだと推定されます」






 

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