[特集インタビュー]

2024年9月号 359号

(2024/08/09)

日本生命、ニチイホールディングス買収の狙い

山内 修平(日本生命 ライフサポート事業部 部長)
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買収金額は約2100億円

 日本生命保険は2024年6月3日、国内介護最大手のニチイ学館を傘下に持つニチイホールディングス(HD)の株式取得が完了したと発表した。米ベインキャピタル系のファンドなどが間接保有していたニチイHDの発行済株式を約2100億円で買い取った。日本生命は2023年11月にニチイHDを買収すると発表し、半年以上にわたり買収に向けた対応を進めてきた。

 日本生命はベインキャピタル系の「BCJ-43」の発行済株式の99.6%を取得し、BCJ-43を「ニッセイ・ライフサポート」に改組した。ニッセイ・ライフサポートは、日本生命の介護・医療関連・保育事業等を統括する「事業統括会社」として、事業の安定化を図っていく。株式持分のうち1%をニッセイ情報テクノロジーに譲渡することとし、介護や医療関連事業のデジタル化にも取り組む。

 ニチイHDの中核会社は、ニチイ学館(介護・医療事務・保育事業)とニチイケアパレス(介護)で、ニチイHDは介護と医療事務の分野で日本のトップシェアを持つ。ニチイHDは1968年12月に創業し病院の医療事務受託事業を開始し、その後、介護・保育事業に参入している。ニチイHDの2022年度(2023年3月期)の売上高は約3080億円、営業利益は約209億円、当期純利益は約150億円で、従業員数は約8.6万人規模となっている。

2兆円の戦略投資枠

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