[【企業変革】ポストコロナ時代の経営アジェンダ ~ ゲームのルールが変わる瞬間 ~(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)]
(2020/10/01)
勝ち組はやはりテクノロジー企業
2020年初頭からはじまったこのコロナ禍は、社会・経済に大きな影響を与えており、実態経済には大きな落ち込みが見られます(先進国における4-6月期のGDP成長率は軒並み2桁のマイナス成長)。この落ち込みが、いつの日か元に戻ることは確実な未来ですが、重要なのは全体として元に戻ったとしても、すべてが同じように元に戻るわけではなく、その内訳はずいぶんと変化した世界になることも間違いありません。
そのポストコロナの世界を予想するのに最もわかりやすい株価を見てみてみましょう。
年初時点からの株価の変化を見てみるとAirline, Energy, Automobilesといったセクターが大きく落ち込む一方で、Internet and Direct Marketing Retail, Software, Tech Hardwareの3セクターが株価の上昇率、時価総額の増加額の面で大きくとびぬけています(図1)。
図1: S&P500セクター別の2020年初来市場インパクト(2020年8月1日時点)
(縦軸:株価変動率(%)、横軸:時価総額比)(出所:Fidelity)
個別の銘柄みてみると、さらにわかりやすく、テスラ、アマゾン、ネットフリックスは言うに及ばず、カナダのECサイト構築プラットフォーム企業であるショピファイや、中国の共同購買ECを提供するPINDUODUO(拼多多)などなど、上位10社を見てみるとすべてがいわゆるデジタルテクノロジーを強みにする企業です(図2)。コロナ禍によって、経済が大きくダメージを受けるなかで、株価が大きく上昇しているというのはかなり異常な状況です。時価総額でみると、アマゾンのそれはおよそ150兆円、マイクロソフトは170兆円、アップルは180兆円にも達しています(図3)。...
■デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
■筆者略歴
汐谷 俊彦(しおたに・としひこ)
外資系コンサルティング会社等を経て現職。製造業/テクノロジー/エネルギー/化学/ヘルスケア/商社など幅広い業界に対して成長戦略策定、事業ポートフォリオ見直しといった戦略面での支援や、M&A戦略策定に始まり、デューデリジェンス、PMI計画策定および実行支援・買収後のオペレーション改善といったM&Aライフサイクル全領域において幅広い経験を持つ。特にクロスボーダーM&Aやカーブアウト買収といった複雑で難易度の高い案件を数多く手掛けている。また、日系企業による海外企業の買収を契機に、その後のグローバル化に向けたトランスフォーメーション支援や、買収後の海外企業のターンアラウンド、ガバナンス改革などの案件も支援している。東京大学工学部卒。
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