[マールレポート ~企業ケーススタディ~]

2024年10月号 360号

(2024/09/10)

【丸の内キャピタルの担当者が語る】東亜トレーディンググループとの資本業務提携で描く成長戦略

―― 3号ファンドの第1号案件

  • A,B,C,EXコース
福﨑昇平・丸の内キャピタル 取締役CIO マネージングディレクター(左)と奥見昌彦・同 ディレクター

福﨑昇平・丸の内キャピタル 取締役CIO マネージングディレクター(左)と奥見昌彦・同 ディレクター

成城石井、エムアイフードスタイルへの投資実績を買われて

 2024年4月、丸の内キャピタルが管理・運営する「丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合」(以下3号ファンド)が東亜トレーディングの株式51%を取得、資本業務提携を行った。東亜トレーディングの大田浩次社長は続投する。

 東亜トレーディングは、1987年の設立。キムチや韓国惣菜を自社製造し、百貨店や駅ビルを中心に、「沈菜(キムチ)館」、「韓美膳DELI」、「カンナムキンパ」などの直営店舗を通じた販売事業のほか、PBでの卸売りも行っている。自社工場で生産するキムチは、韓国から仕入れた希少性の高い唐辛子を使用し、高品質で本格志向のキムチを日本各地に提供。また、高質系食品スーパー向けに卸売事業も展開しており、期間限定のキムチ製品は、SNSでも話題になるほどの人気商品となっている。また、東亜トレーディングの子会社である東亜フードサービスは、「美菜莉」「韓美膳」「ポチャ」ブランドでレストラン事業を展開、韓国料理業態において、幅広い層から支持を得ている。

 丸の内キャピタルは、2008年に三菱商事が設立した企業投資ファンド運用会社。これまで、成城石井エムアイフードスタイル三浦屋AKOMEYA TOKYO、サイプレスといった高質系食品小売業界・外食業界における成長戦略・経営改善施策の立案及び実行に関する知見やノウハウを培ってきた。本件は、これらの高質系食品小売業界・外食業界への投資実績が買われた形。丸の内キャピタルはこれまでの投資実績に基づく知見やノウハウを活かして、経営支援及び事業拡大の機会を積極的に追求していくとしている。

 東亜トレーディングとの資本業務提携の経緯と成長戦略支援の方策を福﨑昇平・丸の内キャピタル CIO マネージングディレクターと奥見昌彦・同ディレクターに聞いた。

<インタビュー>
成城石井、クイーンズ伊勢丹などで培った知見で成長を支援

 福﨑 昇平(丸の内キャピタル 取締役CIO マネージングディレクター)
 奥見 昌彦(同 ディレクター)

<目次>
  • 資本業務提携の経緯
  • 資本構成
  • 自社販売のほか成城石井やクイーンズ伊勢丹等にPBで卸売りも
  • 東亜トレーディングの魅力
  • 支援策のポイント
  • IPOの可能性について
  • 3号ファンドの投資戦略

資本業務提携の経緯

―― 2024年4月、東亜トレーディングと資本業務提携を行いました。経緯をお聞かせください。

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