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[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

2017年2月特大号 268号

(2017/01/19)

第144回 半導体・電子部品業界

高い将来性と激しい開発競争の中、M&Aは必要不可欠~2016年の事例を中心に

 澤田 英之(レコフ リサーチ部長)

1.2016年は半導体・電子部品に係わる大型M&Aが増加

  図表1は2008年9月のリーマン・ショック以降に公表された電機業界の大型M&A(金額1000億円超。計23件)である。従来、電機業界の大型M&Aは、総合電機など日本の大手電機メーカーによる経営統合または事業構造改革を目的とした子会社売却や、海外事業拡大に向けたIN-OUTが主要なものであった。これにはあてはまらない半導体・電子部品関連企業の大型M&Aは6件(図表1で網掛けした案件)にとどまっているが、このうち5件は2016年に公表されたものである。

  その内訳は、ソフトバンクグループによるアーム・ホールディングス(英国の半導体設計)買収、大手半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスによるインターシル(米国の半導体メーカー)買収、日本電産によるエマソン・エレクトリック(米国の電機メーカー)の一部事業譲り受け、そしてTDKによるクアルコム(米国大手半導体メーカー)との合弁会社への高周波関連事業の譲渡と、米国センサメーカーのインベンセンス買収である。5件とはいえ異業種からの参入や同業間の買収、また事業譲渡など形態は様々だ。

2.2016年の各大型案件の概要

■ソフトバンクグループによるアーム・ホールディングス(英国)買収

  ソフトバンクグループは英国の半導体設計、アーム・ホールディングスを、日本企業によるIN-OUTでは過去最大規模となる3兆3234億円で買収した。アームはソフトバンクグループの100%子会社となった。

  アームはモバイル機器向けの半導体回路設計で85%を超える世界シェアを握っている。モバイル機器は電源から切り離されて操作される局面が多く、搭載されるチップには節電能力の高さが求められる。アームの設計によるチップは節電能力が高く、アップル(米国)やサムスン電子(韓国)のスマートフォン等に幅広く搭載されてきたと言われている。同社は右肩上がりの成長を続け、半導体の製造自体は手掛けていないため工場や在庫管理にかかる固定費が低く利益率は高い(2015年12月期の営業利益率は42%)。

  アームの株式はソフトバンクによる買収・完全子会社化とともにロンドン証券取引所上場廃止となった。これによっていわゆる株主からの圧力は大きく緩和されたものと考えられる。親会社となったソフトバンクは、アームについて目先の利益を追うよりも積極的に先行投資をしてマーケットシェアの拡大を目指したいと述べている。

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