レコフデータは1985年以降のM&Aデータベースを構築しています

キーワード 一覧

[特集・特別インタビュー]

2019年9月号 299号

(2019/08/15)

三井物産の『多様なプロ人材』育成戦略

――コーポレートディベロップメント本部 総合力推進部のキーパーソンに聞く

石田 大助(総合力推進部長)
畠山 幹敏(同部 ビジネスコンサルティング室長)
水谷 真吉(同部 コーポレートディベロップメント・M&A推進室長)
三井 希(同部 コーポレートディベロップメント・M&A推進室 インベストメントマネージャー)
左から畠山 幹敏氏、石田 大助氏、水谷 真吉氏、三井 希氏
左から畠山 幹敏氏、石田 大助氏、水谷 真吉氏、三井 希氏
 総合商社は、ボラティリティの高い資源分野への巨額投資から財務体質改善を見据えた投資へと大きく戦略転換を図っている。大手総合商社のケイパビリティは『優れた経営資源の獲得と投資(資金力、人材力)』、『マルチセクターでの事業創出』、そして『ネットワークとブランド(信用)の構築』にある。総合商社ならではの能力をフルに活用して、これまでのような事業分野ごとの縦割りの発想ではなく、多数の事業に横串を通すようなプラットフォームを構築する時代に入っている。そうした戦略に沿う形で各分野でのM&A投資も活発に行われているが、そこで必要となってくるのが新たな戦略を担う経営人材である。三井物産は、グローバルレベルであらゆるものが急速に変化する中、今までにないビジネスモデルの構築という変革のエンジンとしてコーポレートディベロップメント本部(CD本部)を据えた。中でもM&A、経営改善分野等において、外部のプロフェッショナル人材を積極的に採用し、インハウス・アドバイザーとして他営業本部の支援を行うユニークな部隊が、総合力推進部のビジネスコンサルティング室とコーポレートディベロップメント・M&A推進室である。そこで、三井物産において多様なプロ人材の育成戦略の一端を担う総合力推進部のキーパーソンにその人材育成戦略を聞いた。

三井物産全体の変革を加速するCD本部の2つのミッション

石田 「現在のコーポレートディベロップメント本部(以下CD本部)に総合力推進部ができたのは、2013年7月のことです。CD本部の下には金融事業部、不動産事業部、企業投資部、商品市場部、物流事業部と並んで総合力推進部があります。(下図参照)

総合力推進部の会社組織上の位置づけ

 このCD本部は2つのミッションを持っています。1つは、自らが金融・物流領域において主体的にビジネスを行い、収益を生みだすことで、アセットマネジメント事業や保険事業、リース事業、不動産関連事業、企業投資事業(バイアウト投資、ベンチャー投資)、コモディティデリバティブ事業、ロジスティックスマネジメント事業などがこれにあたります。

 もう1つは、我々総合力推進部のミッションでもありますが、M&A、ビジネスコンサルティング、リスクマネジメント分野等において、現場で蓄積した専門性とネットワークを駆使して、インハウス・アドバイザーとして他営業本部の支援を行うことです。

 17年に三井物産は中期経営計画を発表し、自らを『多様なプロ人材が総合力とグローバルネットワークを駆使し、主体的な事業創出に取り組み、新たな価値を持続的に創造する組織』と再定義しました。グローバルレベルであらゆるものが急速に変化する“大転換の時代”を迎え、新たな領域への参入や、今までにないビジネスモデルの構築といった変革のエンジンとなるのがCD本部で、まさにCorporate Development=『企業としての発展』という名前の通り、1本部という枠を超えて三井物産全体の成長を牽引しています」


インハウス・アドバイザーとしての役割

石田 大助(いしだ・だいすけ)

石田 大助(いしだ・だいすけ)

学習院大学法学部卒業。1992年三井物産入社。生活資材の輸出入及び海外事業を手掛けた後、02年米国三井物産(ニューヨーク)経営企画を経て、04年より東京及びロンドン(08-13年)にてプリンシパル投資に従事、投資先のヘルスケア会社にも2年間出向し経営改善等に取り組む。14年三井物産本店経営企画部次長を経て18年より現職。Northwestern大学KelloggにてMBA修了(02年)。

 「我々が担うインハウス・アドバイザーとしての役割には、2つの面があります。まず新規投資時に、事業戦略に沿った投資先選定から買収に至るあらゆるプロセスをサポートすること。さらに投資後には、ボルトオン買収(当該事業の補完・強化のための買収)や経営改善、既存ポートフォリオの入れ替え・売却など、投資先企業の価値を最大化するために必要なサポートを行うことです。

 総合力推進部はCD本部の中でも特別なコストセンターで、一般的には経営企画部門が担っているような業務を行っているといっていいと思います。部内にはM&Aやファイナンスに精通した人材がおり、相互に連携することで、よりスピーディかつダイナミックに各営業本部をサポートするという役割を担っている点が大きな特徴です。

 当部の名称は“総合力推進部”となっていますが、名刺の裏面の英文表記は“Corporate Development Division”となっていて、本部と同じ名称になっています。これを見ても分かるように、単にM&Aや経営改善の支援にとどまらず、他の営業本部をサポートし、三井物産グループの成長を牽引する“企業価値向上部隊”を目指しています」


ビジネスコンサルティング室、コーポレートディベロップメント・M&A推進室の役割

―― まず、ビジネスコンサルティング室の役割をご紹介ください。

この記事は、Aコース会員、Bコース会員、Cコース会員、EXコース会員限定です

*Cコース会員の方は、最新号から過去3号分の記事をご覧いただけます

マールオンライン会員の方はログインして下さい。その他の方は会員登録して下さい。

[無料・有料会員を選択]

会員登録

バックナンバー

おすすめ記事

【第7回】 内部監査部門における人材育成

スキルアップ

[【コーポレートガバナンス】よくわかるコーポレートガバナンス改革~日本企業の中長期的な成長に向けて~(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)]

NEW 【第7回】 内部監査部門における人材育成

関 彩乃(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 シニアコンサルタント)

【第6回】中堅中小企業M&Aにおける「のれん」の取り扱い

スキルアップ

[【事業承継】中堅中小企業の事業承継M&A ~会計税務の実務上の頻出論点~(M&Aキャピタルパートナーズ)]

NEW 【第6回】中堅中小企業M&Aにおける「のれん」の取り扱い

桜井 博一(M&Aキャピタルパートナーズ 企業情報第二部 公認会計士・税理士)

ユニゾン・キャピタル、ジェネリック薬品製造の共和薬品工業の株式取得

速報・トピックス

M&A専門誌 マール最新号

M&A専門誌マール

M&A専門誌マール

「MARR(マール)」は、日本で唯一のM&A専門誌で、「記事編」と「統計とデータ編」で構成されています。

レコフM&Aデータベース

レコフM&Aデータベース

「レコフM&Aデータベース」は、日本企業のM&Aなどどこよりも網羅的に、即日性をもって構築している日本で最も信頼性の高いデータベースです。

セミナー

セミナー

マールの誌面にご登場いただいた実務家、研究者などM&Aの専門家を講師としてお招きし、成功に導くポイント、M&Aの全体プロセスと意思決定手続き、実証研究から見た分析などについてご講演いただきます。

SPEEDA RECOF

SPEEDA RECOF

「SPEEDA RECOF」とは「レコフM&Aデータベース」と株式会社ユーザベースが開発・運営する企業・業界情報プラットフォームである「SPEEDA」がシステム連携します。

NIKKEI TELECOM日経テレコン 日経バリューサーチ

日経テレコン

2002年7月に、日本経済新聞デジタルメディアが運営する日経テレコンの「レコフM&A情報」を通じてM&Aデータの提供を開始しました。

M&Aに関するお問い合わせ、ご相談は
こちらからお気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせフォーム