世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」という圧巻のロケーション 日本共創プラットフォーム(以下「JPiX」)は、浦島観光ホテルの全株式を、2023年12月に取得した。
浦島観光ホテルは1956年の創業。和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の「ホテル浦島」を筆頭に4つのホテル・旅館を経営し、長年にわたり南紀勝浦エリアの観光の中核を担ってきた。各施設は、いずれも世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に位置し、圧巻のロケーションを誇る大洞窟温泉忘帰洞をはじめとした那智勝浦温泉、熊野の清流から湧き出るユニークな川湯温泉を代表する宿として、多くの国内外の観光客に親しまれている。
JPiXは、経営共創基盤(以下「IGPI」)グループとして2020年5月に設立された。IGPIは、2007年に産業再生機構の業務執行最高責任者であった冨山和彦氏の下、従来の戦略型コンサルティングファームとは異なり、新規事業創出から事業の成長加速、事業変革・事業再生まであらゆるフェーズの支援を徹底した
ハンズオンで行うコンサルティングファームで、企業投資やベンチャー投資などの投資業も行っている。2009年3月に設立した「みちのりホールディングス」では福島交通(福島県)、茨城交通(茨城県)、関東自動車(栃木県)などのバス会社や湘南モノレール(神奈川県)といった鉄軌道会社を傘下に収め、バリューアップに取り組んだ例が有名だ。冨山氏は、2020年10月よりIGPIグループの会長に就任。JPiXの代表取締役社長にも就いている。JPiXは、みちのりホールディングスのほか南紀白浜エアポートの運営もIGPIから引き継いだ。
今回の浦島観光ホテルの買収、JPiXの機能について、浜村伸二執行役員、安藤聡昭 同アソシエイトに聞いた。
<インタビュー>
地域において大事な企業と共に持続的な成長を目指す
浜村 伸二(日本共創プラットフォーム 執行役員)
安藤 聡昭(同 アソシエイト)
- <目次>
- 浦島観光ホテル買収の経緯
- JPiXの機能
- 浦島観光ホテルグループの魅力
- 南紀白浜空港とのシナジー効果
- 浦島観光ホテルグループの新たな経営体制
- マーケットの見通し
- 地震対策などの災害対応
- 今後の取り組みについて
浦島観光ホテル買収の経緯
―― 日本共創プラットフォーム(以下「JPiX」)は2023年12月、和歌山県内で4つのホテル・旅館を経営している浦島観光ホテルの全株式を譲受されました。本案件の経緯について、詳しくお聞かせください。