[寄稿]
2011年12月号 206号
(2011/11/15)
ベトナム、インドネシアその他東南アジア各国への日本企業の進出は増加の一途を辿っている。ベトナムでは、国営企業グループに対する投資のみならず、民間企業へのM&Aも増えている。その背景には時間、ネットワーク又は(新規での発給が難しい)ライセンスを買うといった、様々なビジネス上の理由が存在する。他方、法制面の整備・その運用の担い手の供給は国の経済発展のスピードに追いついておらず、進出手続きを進めるに当たっては、不明確な法解釈、当局裁量の幅、最終的な裁判所における執行可能性の限界などを所与の前提とせざるを得ない。不明確性から生じるリスクを先進国並みに最小化することは難しく、リスクの量と質を分析し、先例なども引き合いに出しながら当局と交渉し、現実的な対応策を導き出すといった柔軟な対応が迫られる。事前の入念な調査・検討と、当局照会、案件組成過程において発生する変動要因に対する柔軟性などが鍵となる。
以下では、日本企業によるベトナム企業(株式会社)の株式の取得を念頭に、ベトナム特有の論点を中心にご紹介し、それへの対応策を検討することとしたい。
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[押さえておきたい新時代のM&A~海外M&Aのカギを握るリスク管理]