米国の大手電子部品商社であるAvnet(アヴネット)は、2010年東京証券取引所第1部上場のユニダックスをTOBによって買収(買収金額は約129億円)、ユニダックスは同年9月上場廃止した。
ユニダックスは、世界各国の安全規格電子部品の輸入販売を目的に、立花篤実氏が日本ユニコンとして1972年に設立。半導体、電池、電源、抵抗器などの国内外の電子部品をデジタル家電や産業向けのエレクトロニクス製品を製造する電子機器メーカーに販売してきた。86年にマイコン開発支援装置メーカーの国際データ機器と合併し、社名をユニダックスに変更。それ以後、94年に電子機器輸入専門商社のエヴィックと合併、98年に半導体専門商社の兼松電子部品と合併、02年に同じく半導体専門商社のダイヤセミコンシステムズと合併して業容を拡大、輸入半導体をコアに、主だった電子機器メーカーを顧客に持つ有力な独立系エレクトロニクス商社に成長。90年には日本証券業協会に株式を店頭登録、03年には東証1部上場を果たした。また顧客である日本の電子機器メーカーが生産拠点をアジア諸国に移転する動きに合わせて、89年シンガポールにユニダックス エレクトロニクス PTE LTD(現アヴネットEMジャパン・アジア LTD)を設立したほか、香港、上海、タイ、マレーシアと海外拠点も拡大してきている。ちなみに、09年度の売上高は約389億円だった。
一方、アヴネットは1921年米国ニューヨークに設立。電子部品、半導体、企業向けコンピュータ・ストレージ製品、並びに組込サブシステムの販売をベースとし、Arrowと並ぶ世界最大級の電子部品商社である。世界80カ国に300以上の拠点を持ち、13年6月期の売上高は約2.5兆円に上る。
アヴネットは電子部品における世界最大マーケットの1つである日本を重要な市場と位置づけ、05年英国の電子部品商社メメック社の買収を契機にメメックジャパンをアヴネットジャパンへと社名変更して日本市場に参入した。08年には50年を超える業歴を持ちデザイン力と技術力で高い評価を得ていた電子部品商社である日本電素工業を買収している。
ユニダックスがなぜアヴネットの買収を受け入れたのか、買収交渉にあたった岡田敬太郎・取締役常務執行役員営業本部長に話を聞いた。