[M&Aトピックス]

(2023/05/18)

自民党が中小企業政策の方針を提示、M&A関連の各種施策も明記

 自民党の中小企業・小規模事業者政策調査会は5月17日、「新たな価値創造による地域経済の好循環の実現に向けて」と題し、今後講じる中小企業・小規模事業者政策の方向性の素案をまとめた。中小企業を「グローバル型」「サプライチェーン型」「地域資源型」「地域コミュニティ型」の4つの類型に分け、それぞれの企業に対し、きめ細やかな政策を実施する。

 M&A・事業承継関連では、売上高が100億円以上の中堅企業を「100億企業」と定めて、100億円企業創出を支援する。素案では、100億企業を目指す意欲と潜在能力を持つ経営者に対して、M&A等の経営戦略支援、輸出・海外展開支援を「重点的に投入すべき」と記した。また、こうした企業を育成するためには、食品・物流などの業種別のアプローチが必要になることから、「業所管省庁が主体となって業種別の課題に応じて深掘りした政策を加えていく二階建ての政策体系を確立すべき」とも指摘している。

 さらに、中小企業のグループ化により成長を遂げている企業を促進するため、「M&Aを支援する経営資源集約化税制等の活用を更に進めるとともに、M&Aに必要な資金調達の支援を行うべき」との提言を盛り込んだ。

 中小企業庁によれば、M&Aを行った中小企業は、そうでない企業に比べて売上高の増加、生産性の向上を実現している。また、経営者が 70 代以上の事業者は89万者と割合として過去最高になった。こうしたなか、民間M&A 取引の適正化を通じて、M&A のさらなる活性化を促したい考えだ。具体的には、民間M&A・事業承継が円滑に進められるよう、M&A支援機関登録制度の充実化や「中小M&Aガイドライン」の見直し等を通じて、M&A市場の規律付け強化を進めていく。


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