[対談・座談会]
2015年12月号 254号
(2015/11/17)
~法務・税務実務におけるガバナンス改革とグローバルM&Aの課題を語る~
自己紹介
武井 「本特集は、M&Aに関連した法制や実務について1年間を振り返るということで、昨年から始めた座談会ですが、本年(2015年)は東京大学の平野温郎先生、PwC税理士法人の佐々木浩先生、そして、西村あさひ法律事務所の髙木弘明先生にご参画いただきました。よろしくお願いします。まず、簡単に自己紹介をお願いします」
平野 「東京大学の平野です。大学では国際企業法務とアジア・ビジネス法を教えています。前職は三井物産で法務部門に30年ほど在籍して、ずっと法務の仕事をしておりました。海外は、中国の北京、香港の駐在が長く、また、ニューヨーク駐在の時には多くのM&Aを経験しています。本日は、その経験を踏まえてお話できればと思います。よろしくお願いします」
武井 「佐々木先生お願いします」
佐々木 「PwC税理士法人の佐々木です。私は、財務省の主税局において、24年間にわたって法人税、消費税の企画、立案を行ってまいりました。特に、M&Aに関しては、平成13年(2001年)の組織再編税制や平成22年(2010年)のグループ税制を担当しました。現在は、PwC税理士法人のパートナーをしており、5年ほどになります。PwC税理士法人としての本来の税務サービスの仕事もありますが、例えば、公益社団法人日本租税研究協会で、海外の組織再編を日本の税法としてどのように取り扱うのか、また、タックスヘイブン税制の租税負担割合における非課税をどのように整理するかといった基準作りなど、パブリックな仕事も行っています。これらの基準は民間で作ったものですが、税務当局もその基準に示された取扱いを尊重するといった位置付け、いわゆるお墨付きということですが、それを得られることを念頭に置きながら作ったものということです。取扱いの明確化につながるので納税者、税務当局の双方にとってメリットがあることになります。税務においては新しい分野でソフトローとしての取組みということになりますが、このような分野も伸ばして行けたらと思っています。よろしくお願いします」
武井 「髙木先生、昨年に引き続きよろしくお願いします」
髙木 「西村あさひ法律事務所の髙木です。私は、2009年から13年まで法務省の民事局に在籍して、平成26年(2014年)の会社法改正に立案担当者として関与しました。現在は、西村あさひ法律事務所のパートナーをしており、国内外のM&Aを中心に、コーポレートガバナンス・コードやグループガバナンス等を含めた、上場企業の法務全般に携わっています。よろしくお願いします」
武井 「西村あさひ法律事務所の武井です。本日は司会の役割ですが、ファシリテーターとしても発言したいと考えております。よろしくお願いします」
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